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夕餉の月 十一日(雨)
夕餉の月 十一日(雨)
今日は多くのお客さんが入った。初日と比べれば多かった。
商品の一割ほどが消えて、棚がすかすかになってしまった。
捌けたのは副産物が殆どだった。
余った葉を煮て出したお茶や、香料関連、なんとなくで置いてみたお菓子も売れた。
まだ温かい季節なので、薬関連はあまり芳しくないと考えていたけれど、まさかと思うほどの差が出た。約五倍差だ。
もしかしたら看板が間違っているのではないかと外に確認に出た。
看板は正しく『調合薬店』と書いてあった。間違いなく薬屋のはずだ。それなのに薬が最も売れないなんて、理由がありそうだけどわからない。
売上を見ると、今日はとても良い日だった。この数字がずっと続けば、お店は安泰だ。
しかしモヤモヤが残る。薬屋としては薬が売れてほしい。
明日も副産物系を出していく。やっぱり売上がよければ、後々看板を変えなければいけなくなるかもしれない。




