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帰巣の月 二十五日(曇り)

帰巣の月 二十五日(曇り)


今朝は早起きできた。楽しみを前にした子供のような心境だったのだろうか。

そのおかげで、時間には余裕があった。簡単にだったけど、お店の掃除ができたくらいだ。

時間に余裕を持って出発して、早すぎるくらいの時間に着いた。


劇はお昼前から始まった。早い時間だったからか、客席には空きが目立っていた。仕事中の人が多かったのだと思う。



劇の内容は、エアラの八期、国王を務めたペトルメアの話だった。


実のところ、劇の内容はあまり覚えていない。私は千色液で役者さんや小物をじっと見つめるばかりだった。劇の最中はそれだけの時間だった。


世話人役の第三ボタンが若干ほつれているのを発見したり、背景の城から下書きの跡を探すのが楽しすぎた。あれに夢中になるなというのが無理だ。


ペトルメアの剣は、刃の曲線が美しい出来だった。きっと力を入れて作ったのだ。リリエ役の目の動きが繊細で、とても感情が籠もっていて、見ていてこっちが泣きそうになった。リリエは悪役のハズなんだけど。


申し訳ありません。セリフはほとんど聞いていませんでした。でもとても楽しかった。セリフのトーンと演技の所作だけでも十分に満足だ。

特定の情報を拾い上げられる千色液があったからこそ、できる楽しみ方だった。ここのところで一番満足できる一日だった。


高揚して、いつもよりも高い食事にしてしまったのが、たった一つの心残りだ。油がイマイチだったのか、お肉があまり美味しくなかった。

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