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帰巣の月 二十四日(晴れ)
帰巣の月 二十四日(晴れ)
とても透明度が高い瓶を買えた。数は少ないけど、とても安かったし大満足だ。
この瓶があればできることがある。ある魔法薬の活用だ。
透明な瓶が必要な魔法薬とは、千色液という。これは、覗くとずっと遠くを見られる。いわゆる望遠鏡だ。
もちろんただの望遠鏡じゃない。使い方を知っていれば、最高の遊び道具になる。
映る景色に色を付けたり、望遠鏡とは逆に景色を小さくしたりできる。焦点の先だけ大きくしたり、視点以外を小さくしたり、周りの景色を使った万華鏡にもできる。
瓶を覗いて使うので、視界がとても広いのも特徴だ。
これを使ってやりたいことがある。明日、劇を鑑賞しようと思うのだ。その劇は楽しみにしていたものじゃない。たまたま公演中だった劇だ。たまたまやるから見に行こう、くらいの気持ちしかない。
本当は千色液で遊びたいだけなんだけど。