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帰巣の月 十七日(曇り)

帰巣の月 十七日(曇り)


毒薬の注文があった。大型の動物に対して致死性のものというだけで、具体的にどの毒が欲しいかはわからなかった。どんな毒が欲しいのかを訊いても、全く教えてくれなかったのだ。


毒を売っても法には触らない。どの毒を誰に売ったのか報告する義務はあるけど、売ってはいけない決まりはないのだ。

害獣の駆除にも毒を使うことがある。毒は売ってもいいし、持っていてもいいものだ。


だからって、やたらめったら売り捌いていいわけじゃない。広義的に言えば、魔法薬なんて全て毒みたいなものだ。使い方を間違えると手酷い目に合う。火炎薬がいい例だ。使い方を間違えれば火傷する。


毒薬の注文をした人は、どんな毒が欲しいのかも、何に使うのかも教えてくれなかった。身元も不明だ。そんな人には私の薬は渡せない。


知らないところで知らない人が私が作った毒薬を口にしてしまったら、こっちに落ち度がなくても気持ちがモヤモヤしそうで嫌だった。


その注文をした人はあきらめて帰った。そのときの無表情が、不気味でちょっと気になった。

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