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帰巣の月 十六日(晴れ)
帰巣の月 十六日(晴れ)
精霊薬を改良する過程で、変な魔法薬が生まれた。特定の種を急成長させる薬だ。
大きめの瓶にその魔法薬を注いで、その中に種を落とす。そうすると芽吹いて瓶に合う大きさまで成長して花をつける。
目で見えるくらいの急成長で花をつけるから面白い。
これで育った植物は、細くて短い根しかつけない。根を張る土がないのだから、そんなものだ。
花は薬から取り出すとすぐに枯れてしまった。もしかしたら、薬に浸し続ければ、とても長生きするかもしれない。今日の夕方から始めて、今のところは枯れていない。