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帰巣の月 十日(曇り)
帰巣の月 十日(曇り)
昨日の続きをした。複数の色が共存するお茶だ。
今日もまだ進展といえる進展はなかった。比重差をつければ簡単だけど、それでは私が求めるものじゃない。
完全に上下に分かれるものじゃなくて、色と色の境目が揺れて模様になるお茶を作りたい。
できれば、かき混ぜて色が合わさっても、暫くすればまた分離するものにしたい。
表面張力や振動や磁力を使えないかと考えてみたけど、どれもいまいちだった。
もう魔法薬にしてしまおうか。それであれば、一つ案がある。
しかし、魔法薬にしてしまったら、値段が跳ね上がる。もうお茶の額では収まらない。お店で売れるかと言うと、ちょっと難しいかもしれない。