夕餉の月 九日(雨のち晴れ)
夕餉の月 九日(雨のち晴れ)
雨から始まった今日は、今後を期待できる日になった。
このままではお店が潰れると初日から感じた。そのための方策を練らないといけない。本気で。
祖父に相談しようと思っていたけれど、昨日今日で連絡を取る手段はなかった。
交信系の魔法は高価で、とても払えないから困る。
今日か明日辺りにでも手紙を送るつもりだった。
でも手紙はもう少し先になるかもしれない。
生き残るためには、カトカエア緑葉店をどう捉えるかが重要になると思うのだ。
より高品質の薬を置くとか、全く違う方向性にするとか。
しかしそれは簡単じゃない。まずカトカエア緑葉店は私よりも技術力がある。当然だ。人数が違う。
そうなると、違う方向性にするくらいしか思い浮かばない。しかしこれも、人数の差で難しい。
薬を作るには材料が必要になる。その材料を得る方法は、組合に依頼して採取してもらうとか、市場で購入するのが殆どだ。
つまり入手できる材料は限られるということ。珍しい材料はあまり望めない。
作れる薬が限られるから、カトカエア緑葉店との差別化にも現界がある。
逆にいえば、材料を得られるルートがあればチャンスはあるはずだ。
今日はそのルートを見つけたかもしれない。
明日会うことになっているから、続きは明日にまとめようと思う。