豊穣の月 二十五日(雨)
豊穣の月 二十五日(雨)
雨二日目。
昨日終わらなかった棚の補充を主に、精霊の魔法薬に時間を割いた。
精霊を作成する薬、精霊薬はあまりお金にはならないと思う。今でも簡単な精霊薬を出しているけど、あまり売れていない。性能が向上しても、この現状に大きな変化はないと思う。
それでも精霊薬について考えていこうと思う。カシュネで見た精霊魔法がよくできていたから感化されただけだ。息をするように精霊が現れて、意思を持っているように活動していた。あれを魔法薬で再現する。
目的は、より少ない本数の魔法薬で、より多くの魔法効果を使えるようにすること。
一つの魔法薬で再現するのは無理だと思っている。しかし複数の魔法薬を使えば可能かもしれない。
相互薬を使って新しい相互薬を増やせたら、多くの魔法を使わせられるはずだ。
問題は、精霊に二つの魔法しか使わせられないこと。精霊薬そのものと、相互関係にした薬の魔法しか引き出せない。これでは精霊に魔法を使えるようにする意味がない。
今日はゆっくりと考える時間があったのに、そこまでしか進まなかった。
雨だからか、長期間の休暇が原因かお客さんは少なめだった。時間はたくさんあったけど、精霊薬について考えるには短すぎる時間だった。
これからも少しずつ考えていこう。時間はかかるはずだ。簡単にできるなら、先人がやっているはずだから。