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夕餉の月 八日(晴れ)

夕餉の月 八日(晴れ)


今日は晴天だった。朝から雲は少なく、昼には真っ青だった。


お店を開くと決めた日だ。私の誕生日でもある。去年までは誕生日を意識していたけれど、今年は全く考えられなかった。お祝いが届いていたのに、まだ手を付けていない。それくらい意識できなかった。


お店を開いた。掃除や洗濯、一通り朝の日課が終わってから、扉の鍵をあけた。

良い日だった。窓からの光が薬の瓶で輝いて、どこを見ても綺麗に見えた。ボロ屋の中とは思えなかった。


主に出していたのは傷薬だった。裂傷や火傷によく効くクリーム状のもの。気合を入れて、柑橘系の匂い付けまでしてある。

他には、各種痛みに効く痛み止めや、睡眠薬も置いた。余った香草を煮たお茶も置いた。

香料もいくつか用意した。チマの花から抽出したものは甘い匂いがする。


他にも用意していたものはあるのだけれど、ほとんどお客さんは来なかった。一日で三人だけだった。やっぱり知名度が足りないのだろうか。

来てくれた三人のうち、二人は何も購入してくれず。一人は頭痛止めを購入してくれた。


これでは商売にならない。サンクシエカでは過去にいくつもの薬屋が閉店していったそうだけど、私のお店も後を追う気がする。初日からいきなり危機感だ。

そうならないように効果的な策を実行しなくては。祖父に相談してみよう。

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