豊穣の月 十二日(晴れ)
豊穣の月 十二日(晴れ)
今日がお祭りの折返しだ。今日が終われば残りは二日。終わりへ向かっていく。
またフィアノさんが出店を見てくれた。明日も見てくれるそうだ。最終日は私も出店に残る予定でいる。
いくらなんでもフィアノさんに任せすぎだ。フィアノさんはサンクシエカの生まれで、このお祭りに飽きているそうだけど、それでも甘えていいわけじゃない。
五日中、三日を任せっきりにする私はそう思う。
話をお祭りに戻して、パレードが終わって今日は各所でゲーム大会が行われていた。勝てば商品がもらえる。食事券とか、飲み物一本とか、ゲーム毎に違う景品が掛けられていた。
私も参加した。暗号解読というゲームだった。街中に隠された暗号を見つけて、謎を解き明かす。景品は木製の椅子だ。遠方からの旅行客でも参加しやすいように、とても小さな椅子だった。持ち運びに苦労はしないと思う。徒歩の旅だったら別だけど。
最初に十六の暗号を配られる。どれかを解けば先に進めるようになっていた。一つの答えに人が集まって、渋滞しないように最大で十六に分かれるようにしたのだと思う。
でもそこまで参加者は多くなかった。
全部で五つの暗号を解くと、答えに辿り着くようになっていた。
私は解読が比較的遅かったみたいだけど、ちゃんと暗号を解いた。だから、我が家に小さな椅子が一つ増えている。
他にも気になるゲームはあった。より精巧に作れ! 木彫り対決! とか、より多くを騙せ! 変装対決! とか。
でも暗号が思った以上に難しくて、暗号を解いた頃には、それらのゲームは終わっていた。残念でならない。明日もやるなら参加したいけど、また別のことをやるとか。
どんなことをやるのかは詳しく聞いていないけど、面白そうなゲームだったら参加するかもしれない。