豊穣の月 十一日(晴れ)
豊穣の月 十一日(晴れ)
今日はお祭りを楽しんだ。食べたいものを食べて、過ごしたいように過ごした。
ヒナオさんと目的が同じだったので、一緒にお祭りを歩き続けた。
今日の目玉はやっぱりパレードだ。パレードと言ってもカシュネでやるほど華やかじゃない。少しだけ不思議な感じがした。練り歩いていた像が不気味だったのだ。
その像は、不気味な生き物という名前の像だった。昔、人の生活圏を脅かしていた存在を象っているそうだ。不気味な見た目の意味もわかる。
五本足が特徴的だった。首が長いように見えたけど、実際は頭が倍くらいに伸びていた。
子供が泣きそうな見た目だった。実際に泣いている子もいたみたいだ。泣き声が聞こえたから。
最後には、その像は壊される。人混みで、私とヒナオさんは近寄れなかったけど、実際に今日、その像を壊したそうだ。槌を落として砕いたとか。
聞いた話によると、お祭りの元になっている事件には、槌は登場していない。像の壊しやすさを優先しているそうだ。過去を蔑ろにしていると訴える人もいるそうで、住民の間でも賛否が分かれるらしい。
移住してきた私には、わからないけど。
昼過ぎは、昨日と同じく食べ歩いた。甘い物を優先に狙った。このままだと太ってしまう。でもやめられない。
屋台になっていると、次から次へと美味しそうなものが目に入った。今のところ、お祭りでは食べてばかりだ。今後も続くかもしれない。