表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/378

豊艷の月 二十一日(晴れのち曇り)

豊艷の月 二十一日(晴れのち曇り)


まだ開店はしていないけど、日誌は今日から始めることにする。


私がサンクシエカに転居してから二日目になる。

祖父のソコド・ラピリスからお店をもらってからは四十日だ。

なかなか時間が掛かってしまった。予定ではもっと早くこられるはずだったのに。


昨日は荷物を片付けるだけで精一杯で、お店に入ったのは今日が初めてだった。

お店が長い時間、放りっぱなしになっていたのは知っていた。

だから覚悟を決めていたつもりだったのだけど、私が甘かった。埃と小動物で目を背けたくなる荒れ様だった。


裏手からお店に入ったのだけど、扉を開けた瞬間に、空気の動きが目で見えた。埃が煙みたいに充満していた。


私の今日は、埃の除去から始まった。

汚れてもいい服に着替えてから、風の道を作ったりしてなんとか埃を片付けた。


次は小動物の跡を片付けた。どなたのかも知らない小さな足跡とか糞とか。虫の死骸もあったし、何回か叫んだ気がする。


床板の木目が見えるくらいまで掃除ができた。それでもまだ汚れは残っている。

棚に残っていた茶色い瓶は、本当は透明だった。その棚もまだ綺麗にできていない。

まだ掃除には時間が掛かりそうだし、依頼をして綺麗にしてもらうのがいいのかもしれない。小動物の抜け道も探して塞がないと。依頼をするとしたら、いくらかかるのだろう。お金は、そんなにない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ