ハンナちゃん
傭兵になって数日が経過した
私達はFランクからEランクになっていて、そして今私達はお馴染みのゴブリンの殲滅…もとい討伐をしていた
「ギャーャ!」
ネロがゴブリンの首を撥ね飛ばし、絶命させる
その後ろからはネモの援護射撃が飛び、ゴブリンの頭を消し飛ばす
だが、その後ろからゴブリンナイトが銅剣を構えながら走って向かって来る
だがネモは後ろを見ることなく、ゴブリンの1匹の頭を消し飛ばしていく
ゴブリンナイトは醜い笑みを浮かべながら、切りつけようとネモのすぐ後ろまで迫って来ていていた
その様子を見ていた私は、やっぱりバカだなと思いながら、石製の斧を持ったゴブリンの顔面をよそ見しながら蹴り飛ばし殺した
ゴブリンナイトは縦に剣を振り下ろした
しかしネモはヒラリと回避し、近距離から“マジックキャノン„を放った
「ギギッ…」
ゴブリンナイトは腹を撃ち抜かれ断末魔を上げて死んだ
どうやら、ネロの方のゴブリンも全滅したようだ
「これで依頼は終了ね
ネモにネロ、ゴブリンの右耳を切り落として」
私は剥ぎ取り用のナイフを2人に渡して、剥ぎ取りをさせた
私も剥ぎ取り用のナイフを取り出して、蹴り飛ばしたゴブリンの耳と魔石を剥がし始めた
ゴブリンの討伐依頼が終わった私達は傭兵ギルドがある建物の中に入った
今は夕方なためギルドの中は傭兵が依頼完了を伝えに来ているので、とても騒がしかった
「…はいこれが、依頼の褒賞金とゴブリン10匹分のゴブリンナイト3匹分の魔石の代金です」
私はギルドの職員の人からお金が入った小袋を渡された
「…それにしてもすごいですね“ミリオン„さん
いくら武器がすごくても、ここまで登録初日からずっと休むことなく、魔物討伐するなんて」
私達はギルドから借りていたお金を返したあと、3人でパーティーを組んだ
パーティーの名前は私が考えた
ちなみに“マジックライフル„や“マジックソード„などの武器は普通の武器よりも圧倒的に性能が高いが、値段もそれなりに高くついてしまうため、持っているのはCランク位の人ではないと、持っている人は結構少ないようだ
私はギルドから出てきてここ数日泊まっている宿に帰った
「お帰りなさい!おねーちゃんたち!」
宿には看板娘の姉妹の妹のカンナちゃんがいた
カンナちゃんは6歳の妹で、姉のハンナと交代でお出迎えとお見送りをしてくれる可愛い子で、姉のハンナちゃんは14歳で人当たりが良くいつも微笑んでいてカンナちゃんとは違う可愛さがある
そして特に私はハンナちゃんが気に入っている
「カンナちゃん!夕食っていつできるのー!」
ネロは帰って来るとすぐに、カンナちゃんかハンナちゃんに、いつご飯ができるかを聞いて来るのだ
「ご飯はあともうちょっとでできるって言っていたよ
あと今日のご飯は黒パンとスープと、ホーンラビットの燻製肉って言ってたよ」
それを聞いたネロは上機嫌になった
理由は簡単なことだ。ネロはとりあえず肉が大好きだったからだ
「じゃあ私達は席に座っているから、できたら私達の所に1番に運んで来てね
待ちきれなさそうなやつがいるからさ」
私はあえて誰とは言わずに斜め右に座っている、ネロのことを見た
「わかったよー!」
カンナちゃんは笑いながらそう答えた
10分ほど待っているとハンナちゃんが3人分のパンとスープ、ホーンラビットの燻製肉を持ってきた
「ありがとうね。こっちを優先して持ってきてくれて」
私がそう言うと、カンナちゃんのように同じように笑いながら
「ふふっ…だってネロさんはいつも帰って来て1番に言うことが、ご飯のことなんですもの」
そのことを聞いた私とネモも同じように笑いだした
「うぅー…仕方ないじゃない!お腹が減るのは、生物として当たり前のことなんだから!」
そんな話をしながら私達は楽しく夕食を食べ進めていくのだった
次の日も私達は森の中でゴブリンを倒しまくっていた
この日は戦い初めて1時間で8匹のゴブリンと3匹のゴブリンナイトを倒していた
「なんだか今日は沢山いるねー」
「確かにそうね。マリーレ、とりあえず依頼された分のゴブリンは倒したよ」
ネモが私にそう報告してきた
私はこのままゴブリンを倒し続けるか、それともギルドに報告しに行くか迷っていた
「マリーレもうそろそろお昼だし、街の方がご飯が美味しいから帰ろうよ」
幸いにも私達は財布に余裕があるためネロの案を採用した
私はギルドで報告をし終わり、私は泊まっている宿に帰ってきた
宿では商人のような人と親子が数組いた
「お帰りなさい…っておねーちゃん達だったの?
いつもはもっと遅い時間に帰って来るのに、何でこんな早いの?」
カンナちゃんは不思議そうにそう聞いてきた
「今日は魔物と沢山遭遇して依頼が早く終わったから、せっかくだから美味しい物を食べたいと思ってね」
私達は席に座り、Aセットのパンとスープ、猪のステーキを頼んだ
15分ほど待っていると、肉の焼ける美味しそうな匂いがするステーキをカンナちゃんが持ってきた
「あれ?ハンナちゃんはどうしたの?」
いつもは料理を持って来るのはハンナちゃんなのにな、と思ってカンナちゃんに聞いてみた
私がそう聞くとカンナちゃんは誇らしげに
「ハンナお姉ちゃんは学校に行っているの!しかもとっても頭が良くて、走るのがとっても早いんだよ!」
「へぇぇ、そうだったんだ」
「そんなこよりさ!早く食べようよ!」
「ネロっ!あんたは食べることしか考えていないのか!」
ネモはネロの頭をパーンとおもいっきり叩いた
私は昼食を食べ終わったネモとネロは街を散歩しに行き、私は眠たくなったからベッドで寝ていると、いきなり扉をバタン!と大きな音が部屋に響いた
「…なに…よ…うるさ…」
「マリーレ!ハンナちゃんが街の外に武器も、護衛もないのに外に行っちゃった!」
ネモが慌てたように大声でそう言った