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傭兵

私達は街道に出るとそのまま、道に沿って歩き1時間程歩くとそれなりに大きい門が見えた


「…あそこが街という物なのですね!」


「私達がいた基地よりも広そうだねー」


ネロはウキウキしながらそう言った


ネモはネロ程テンションは上がっていないが、それでも普段よりもテンションが高くなっている


私はその様子を微笑ましく見ていたが、重要な事を伝えるのを忘れていたのを思い出した


「…ネモにネロ。多分だけど身分証って言うのが必要になるんだけど、私達は持っていないのね」


「…なんでその身分証って言うのを持っていないといけないのー?」


ネロはなぜそんな物が必要なのか解らないらしく不思議そうに私に聞いてきた

私はため息を吐くと、ネロに説明をした


「…身分証は、簡単に言うと自分が何者かを説明するのに使う物

そして私達はそれを持っていない。すると、私達は怪しい人って言うことになるの」


そう説明すると納得してくれたようだが、ネモが心配そうな顔をしながら


「では私達は入れないんじゃ…」


私は心配そうな顔をしているネモの頭をさすると


「…でもだいたいの街は、何らかの対策をしてくれていると思うから、安心しなさい」


ネモは少し安心した様子だが、すぐに不機嫌になり


「マリーレ!今私の事を子供みたいに扱ったな!」


「ハハハ!ばれたか!ゴメンゴメン」


私はへらへらしながら、悪びれる様子もなく謝った


ネモは怒ったようで、落ちていた石を拾い、胴体目掛けて本気で私に投げつけてきた


いくら“マジックアーマー„を着ているからと言っても、相当な速度で飛んできているので、当たれば結構痛そうだ。だが、私はそれを左に避け、笑いながら


「残念でした!」


その一連の流れを見ていたネロは面白そうに見ていた


しかし、周りの人は若干迷惑そうにその流れを見ているのに誰も気づかなかった…















「あぁ、そういうことだったらどこかで3日以内に身分証をもらって、どこかの門で見せてもらえる?

あと税金もその時に一緒に出してね」


私達は身分証が無いと説明すると、マジックアーマーを着た門番の青年から木製の札を渡された


「これが仮の身分証だから

税金と身分証を見せる時に返してね」


「解りました。ありがとうございます」


私は頭を下げてお礼を言うと街の中にネモとネロと一緒に入った


街の中はそれなりに広く、屋台がぽつぽつと出ていて母と息子が買い物をしていたり、他愛もない話をしている屋台の人。


その様子を見たネモとネロは止まって辺りを見ながら


「とてもゆっくりとしているねー」


「私達がいた基地と全く違って…なんだろう…とても落ち着くような気がする…」


その話を聞いた私は彼女達の成長?を感じて、微笑みながら


「ほらほら、止まらないで行くよ。

街の様子を見るのは、後ででもできるからね」


私はネモとネロを引き連れて、街で戦いなどでお金を稼ぐ方法があるかを聞いてみると、前世で“冒険者„のよううな依頼を受けたりしてお金を稼ぐ“傭兵„と言う職業があった


私の前世だと傭兵はあんまり良いイメージはなかったが、ここの世界一だとあんまりそういうことは無く、ばれると追放…要するに辞めさせられるらしい


さらに傭兵に登録すると、身分証になるドッグタグと呼ばれる物を渡されるらしい


そうと解った私はネモとネロを引き連れて傭兵になるために“傭兵ギルド„がある建物の扉を開けた


「ハハハ!依頼達成祝いだ!」


「全く…」


「すみませーん!エールください」


中は酒場のような感じになっていて、前世の冒険者と同じように昼間っから酒を飲んでいる人がそれなりにいて、さらに今はお昼時なためたくさんの人が昼食を食べていたりしていたりお酒を飲んでいた


私は酔っ払った男達に絡まれるかな…と思ったが、特に何も無かった


「とっても騒がしいねー

でもみんな楽しそうに食事しているねー私も食べたいなぁ…」


ネロはその様子を目を輝かせながら小声でそう言った

私はわざとかなぁと考えながらもスルーして、カウンターに向かった


「はい、何のご用でしょうか?」


カウンターに居たのは、20歳後半位の、くすんだ茶色の髪の毛をした職員の男性が聞いてきた


「あのー、傭兵になりに来たんですが…」


「あ、解りました

後ろにいらっしゃる方も登録しますか?」


「はいそうです」


「3人ですか…

少々お待ちください…」


職員の人は後ろにある扉の中に入り、少しすると出てきて、手には数枚の紙を持ってきた


「…こちらの紙に目を通してもらい、名前、年齢、性別の記入をお願いします傭兵ギルドはF.E.D.C.B.A.S.SSランクの8つのランクで分けられています

ちなみに、読めなかったり書けなかったりした場合はこちらが代読、代筆しますので」



私は後ろにいるネモとネロに渡して誓約書に目を通した


1依頼中の死亡した場合は、傭兵ギルドは責任を負わない


2ギルドを通していない依頼を受けた場合は追放とする


3傭兵同士の戦闘はギルドの練習場以外の場所での戦闘を基本的に禁止する


4民間人への暴行、殺害をした場合は、その国の法律に則り裁かれる

また、傭兵ギルドを無期限の追放とする


5依頼者を脅す等で褒賞金を上げるなどをした場合は、追放とする




内容を見た私は「前世と大きく違う所は無さそうだな」と思いながら、ネモとネロを見ると、もう既に渡された紙を書き初めていた


私もそれに習ってカウンターで名前等を書いると、ネモが私の“マジックアーマー„を優しくコンコンと叩き


「ねぇ、私とネロって何歳なの…?」


私はその事を失念していて、とりあえずこの世界の成人年齢が15歳だったのでとりあえず15歳と書いてもらうことにした


ちなみに私も何歳かは解らなかったので、とりあえずネモとネロよりも1歳年上の16歳と書いた


それをギルドの職員の人に提出した


「…はい。確認できました。

では、入会金の銀貨1人2枚で、合計銀貨6枚ですね」


ちなみにこの世界ではお金は、鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、黒金貨の6種類で100枚ごとに貨幣が変わる仕組みになっている


ちなみに私の前世は10枚ごとに貨幣が変わっていた


「「「えっ…」」」


私は何と、入会金のことも失念していたようだ


「…もしや、入会金を準備できていないのですか…」


「えぇっと…実は…すみません…」


私が頭を下げて謝ると、ギルドの職員の人はとても嬉しい提案をしてくれた


「…では、お金をギルドが貸すということで良いですか?」


「じゃあそれでお願いします…」


私はそう言ってうなずいた


「では、払える分だけでよろしいので払ってください」


私は魔法収納袋からホーンラビットの角と毛皮を3セット魔石をあるだけ全部、カウンターに置いた


ちなみに私達が街道に出るまでにホーンラビットを1匹、ゴブリン1匹、スライム3匹を倒して、魔石を5つ手に入れた


ちなみにここである程度数がある“マジックライフル„や“マジックソード„を売るという選択肢もあったが、そこまで切羽詰まる状況でも無いため出さなかった


「これ全てを入会金に当ててください」


私がそう言うとギルドの職員の人はそれを適当な袋に入れて左後ろにある扉に入った


3分程待っていると、職員の人が小さな袋と、3つのドッグタグ戻って来て


「ホーンラビットの角と毛皮は状態が結構良かったので、毛皮1枚25銅貨枚

で買い取らせてもらい銅貨75枚、角1つが50枚で3つで銀貨1枚と銅貨50枚です

ゴブリンの魔石は1つ30枚でそれが5つあるので銀貨1枚と50枚

スライムの魔石は1つ銅貨10枚なので銅貨40枚で、森狼の魔石が1つで40枚

そして合計金額は銀貨4枚と銅貨、55枚ですね」


そう言うと、ドッグタグを魔法道具にスキャンさせ、それを私達に渡した


「これで登録完了で、Fランクの傭兵です

入会金の残りは3等分しておきましたので、ご安心ください」


ちなみにこのあと、ネモとネロがお腹が減ったから何か買って欲しいとねだられてしぶしぶ、串焼きを4本買うことになった…


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