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* 02
「あの……も、もう…歌わないんですか…?」
それは雨が降る夕時。
悲しい歌を歌った少女は家に帰ろうと思った時
少女の目の前に黒縁メガネをかけ、雨にびしょ濡れのモサモサ頭の男性が声をかけてきたのだった。
少女はその男性を知っていた。
だからこそ、驚きを隠せなかったのだ
「え!?だ、ダサ男!?っじゃなくて!えっと……あの」
少女は彼の名前を思い出せなかった。
人としてとても失礼な事だとはわかっていたのだが
彼についているあだ名しか思い出せなかった。
すると彼は苦笑いし、少女に少し近づく。
「橘……橘優です。あなたには覚えて欲しいです……梅乃…沙耶、さん。」
彼は少し恥ずかしそうに俯く。
そんな彼をみて私は不愉快じゃなかった。
むしろ、嬉しかった。
それと同時に失礼なことをしてしまったという
罪悪感もあった。
「ごめんね、橘くん!」
少女は精一杯の誠意で謝った。
「いいんです!僕にはいつもの事ですから。」
少年は俯く顔を上げ悲しげに笑った。
to be continued……
短めでごめんなさいいい!!