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2話・再開

「セナ様、観測班からの報告です、始まりの町と言われるコーラルに突如高レベルの反応があった、とのことです」


見るからに強そうな悪魔がセナ様と呼ばれる少女にそう報告する。


「そうですか......わかりました、私が直接向かいましょう」


「!! まあ、セナ様ならやられるなんてことはないでしょうし......護衛を用意いたします」


「いえ、護衛は大丈夫です、今回は少々嫌な予感がするので様子見をするだけです、私は人型なので町に入るのは容易いでしょう」


「わかりました、ではご武運を」


「戦うわけではないんですけどね」


―――――――――――――――――――――――

『魔王が妹さん!? え、それって魔王軍との友好関係を図れるっていうことですよね! これは大きいですよ!』


魔王と関係を持っちゃってた俺にセルト様がどのような反応をするか心配したが、どうやら杞憂だったようだ。


『でも俺、セナと会う前にこれからの生活をどうするかの方が重要ですよ』


『とりあえず、魔物狩りしたらどうですか? トールさんだったらその周辺の魔物くらいなら瞬殺できますし、それで稼いだお金で宿に泊まってれば生きていけます!』


『ラノベならヒロインいるんで、そこも期待してもいいですよね?』


既読無視された。


俺は町の外へ向かうべく町中をさまよっていたが、童話に出てきそうななつかしい雰囲気がした。


外に出た俺は早速襲いかかってきた魔物を返り討ちにしようとしたが、


......どうやって攻撃すんの、これ。


呆然と俺がしている中無情にも魔物は俺に襲いかかる。


「まって! タンマ! 今ラインで聞いてるから!」


俺がそう言って魔物に手を向けると、


光の線が魔物に突き刺さった。


通知が来た。


『気合いでどうにかすると雷操作が使えるんで、まあ感覚で覚えてください』


何なんだこの説明。


俺はそれから魔物を見つけては雷操作を使い見つけては使うを繰り返した。


なれて来た俺は試しに全力の雷操作を魔物にしてみた。


辺りが静かになった。


と同時にやってくる白い閃光。遅れて絶大な音が俺の耳をつんざく。


光が薄まり辺りを見渡すと一面焼け野原になっていた。


「うっわ......」


チート能力も使い方によっては迷惑なことが分かった。


とその時、どこからか女の子の悲鳴が。


「ちょっとまって! あんなに強いのいるとか聞いてない! あ! そこの人! 助けて!」


相当パニくっている女の子がそう言って俺の後ろに隠れる。


これは俗に言うヒロインとの出会いの場面なのだろうが俺にはもっと大きな問題が生じてしまった。


目の前に魔王、もといセナがいるのだ。


「汝、そのものを助けるた言う......の..........え?」


俺に気づいたのか魔王のセリフを最後まで言い切れなかったセナは


「え、ちょっ、な、汝! こっちにきて!」


と魔王キャラブレブレで俺を引っ張る。


茂みまで引っ張られた俺はセナと向き合って座った。


「なんで兄さんがここにいるの!」


まあ、そりゃそうなるだろう。俺は先ほどあったことをセナにわかりやすく伝えた。


「とまあ、こう言うわけで、俺はセナを倒すべくセルト様からここに連れてこられた勇者様だったけど、今は友好関係を築く方を目的にしてる」


「そんなことあったんだ......友好関係深めるのもできなくもないだろうけど、さすがにすぐには無理とおもう、部下の中にも人間絶対許さない主義っていうのが一部で広まってるから......」


まあそんなもんだろう。町中を歩いてて魔物許さない主義みたいな連中もいたし。


「ところで、なんでセナはこっちの世界にいるの?」


するとセナは少し曇った顔をして、


「私、大雨の日に川に落ちちゃって、そのまま死んじゃってたんだ、その時になんかあって気付けば魔王の誕生の地みたいなところで転生しちゃってたっぽい、そっからは魔王専用スキルとか覚えさせられて、今に至るって感じ」


「そうだったのか......もう他の家にあったとか考えてごめんな」


「別にいーよ、私もこっちの生活好きだし」


少ししんみりした空気が嫌だったので俺はスマホを取り出した。


「セナ、スマホ持ってる? 俺とライン交換しよーぜ」


「あー、えーっとね私のスマホ充電切れちゃってるんだけど......」


「任せとけ、充電してやる」


そう言って俺は指をスマホの充電口に向けスキルを使う。


すると一瞬でスマホの充電が100%に。


「! すごい! これ兄さんのスキルなのね!......ほんとに戦えるスキルもあるのよね?」


あるわ。


連絡を交換しあった俺とセナはひとまず別れることにして、また機会を伺って会っていくことにした。


俺が茂みから出てくると、さっきの女の子がまだ残っていた。


「大丈夫だった!? 見た感じ怪我とかないけど......」


どうやら魔王に連れていかれた俺を心配してまっていてくれたようだ。


「大丈夫だったけど、なんであんなに強い魔物に追われてたの?」


すると女の子は少しウッとなってから


「見た目から強いのは分かったけど、私の今村では私強い方だったのよ、それで、ね? 勝てるかなーって思って攻撃したら、思った以上に怒らせちゃって」


どうやら少し馬鹿が入っているようだ。


「でね? その時、私の全財産落としちゃってね? そのー、一緒にパーティ組んでくれない? あ! 宿に毎日泊まってるとかだったら私の家きていいわよ!」


「住ませてもらうのはありがたいけど、馬鹿なの?」


「う、うるさい! 私もだいぶ後悔してるんだから! あ、私の名前はリースよ、よろしくね」


「おう、俺は透、よろしく」


「トールね! とりあえず、私の家に向かいましょう!」


......イントネーションが違った。

明日が日曜日だという幸せ。

本編ですが、妹と再開しましたね。よかったよかった。あと、ヒロイン?登場ですね。全財産落としてますが。

今回も読んでいただきありがとうございました!

次回もよろしくおねがいします!

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