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最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
メジャー開幕
73/73

マイナー初登板

 体調不良でマイナー降格してから二週間。ようやく、この日を迎えた。

「今日は六回か七回で投げてもらう」

 試合前からコーチに言われ、俺は嬉しく思っていた。


 試合は2-2の同点のまま、七回を迎え予定通り登板することになった。

久々のマウンドなので、感触を確かめる。

ストレートを投げ、キャッチャーのミット音を聞いた。調子は悪くない、球は走ってる。


 最初のバッターは、五番の左バッター。明らかに一発を狙っている構えだ。

俺は変化球を選択した。キャッチャーにチェンジアップのサインを出し、振りかぶって投げた。

ボールはホームベース手前ですーっと落ち、バッターは空振りをした。

二球目は外角低めのストレートだったが、外れてカウント1-1。

三球目も外角のカーブ。やや高かったが、打ち上げた。ショートがほぼ定位置で取り、1アウト。

続くバッターもレフトフライ、セカンドゴロと打ち取った。

試合は九回に勝ち越し、接戦を物にした。



「もしもし、どうだったの?」

「一回を三者凡退」

「やったー、よかったわね」

 俺は雪子のはしゃぐ声に少し照れてしまった。


「久々だったから、どうなることかと思ったけど結果を残せたから」

「それもそうだけど、一番は体よ。大丈夫なの?」

「うん、大丈夫だよ」

 俺は電話越しだったが、かなり心配してたことに気がついた。

 その後、夏実の話になった。


「そっか、もうバレたのか」

「まあ、時間の問題だと思ってたけどね。それにしても、早かったわ」

 話によると、番組を見ていたクラスの男子生徒が気づいたらしい。


「自分の知名度も上がったってことでいいのかな?」

「はい、調子に乗らないの。お願いだから、しっかりしてね」

 電話を切り、俺は誓った。一日も早くメジャーの舞台に上がるということを。

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