2戦目の行方
試合は9回に入り、球場は異様な雰囲気に包まれていた。
「昨日は先発のゴールドマンが見事な完封劇で開幕戦をとりましたが、今日はここまで毎回失点と苦しい状況が続いています」
「本当よね、昨日は先発のゴールドマンがよかったのに」
夏実と雪子は、昨日の試合を振り返っていた。
「そして、投手ですが、抑えのライトルが出てきました」
「普通なら出てこないけど、毎回得点だもんね。なんとか止めないと」
画面には祈るような思いで見てるファンの様子が映しだされた。
「今日も登板はなさそうね」
夏実は少し残念に思っていた。
「この展開で登板がないと思わなかったわ。いったい、どうなってるのかしら?」
「たしかに。パパは勝ち試合で使う投手じゃないはず」
「うーん、聞いてみないと分からないわね」
その後、抑えのライトルが二つの三振を奪う力投で、スコアボードに0を刻んだ。
「ブランクあるとは思えないわね。ストレートも最速152キロ」
「しかも、あのスライダーの曲がり方とんでもない」
「やっぱり、メジャーの方が上ね」
そして、その裏の攻撃。ライトルの力投に奮起したのか、先頭バッターが内野安打で出塁してノーヒットノーランを阻止。しかし、後続は倒れて試合には敗れた。0-22の記録的大敗だった。