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最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
メジャー開幕
68/73

入学式2

「えー、実は担任は初めてで…」

 男性教師は、かなり緊張しながら自己紹介をしていた。その後、配られた資料を丁寧に読み進んでいた。雪子はプリントも見つつ、携帯電話で試合中継を見ていた。


「今日はこれで終わりとなります。明日からは、八時半までに教室に入るようにしてください」

 担任教師がそう言うと、流れ解散となった。 


「ねえ、どうなった?」

 夏実はすぐに雪子に寄ってきた。

「さらにすごいことになってるわ」

 スコアを見て、夏実は仰天した。


「0-22」

「そうなのよ。もう信じられないスコアよ」

「やっぱり、新規球団は厳しいのかな」

「ほとんどが他球団を戦力外になったりした選手ばかりみたいだし」

 そんな会話しているうちに夏実は、はっとした。


「それで投げたの?」

「それがまだ」

「えっ、まだなの」

 雪子はスコア情報の画面にして夏実に見せた。

 先発が4回までに11失点。5回以降、リリーフ投手が出てきたが打たれていた。5回に3点、6回に4点、7回に2点、8回に2点。


「毎回得点じゃん」

「しかも、ヒットのところを見て」

 雪子の指示で夏実は画面に映されているスコアボードを見た。

「まだヒットがない」

「しかもランナーすら出てない」

「とんでもない試合になってる」

 夏実も雪子も一方的な試合結果に衝撃を受けていた。

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