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最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
夢のつづき
55/73

7回裏(2)

 3人目のバッターが左打席に入った。

ここで打ち取れば大きなアピールになる。

俺は振りかぶって、ストライクゾーンにストレートを投げようとした。


「パパ、テンポもよくなったよね」

「うん、姉ちゃんのいうとおりだよ」

 夏実が分析した。日本にいた頃は、間が長かったのだ。

「捕手も新田さんだったからね。あの人、警戒心が強いから、最初はボール球が多かったし」

「そうだよね、ママ。投手の能力を最大限に伸ばすリードって言われてて私もそう思ったけど、パパとは合ってなかったのかもね」

「とにかく初球ストライクが多いわ」

 そんな会話をしている間に試合は進んでいた。

 1-1からのカーブは、ストライク。バッターを追い込んだ。


 あと1球。水川家は祈るように見ていた。4球目は外角のフォーク。

カキーンと音がすると、ボールはボテボテの内野ゴロ。

誰もがアウトと思ったが突然バウンドがかわり、ショートのグラブを弾く。急いで送球するがセーフ。

Hのランプがついた。記録はショートへの内野安打。


「今のは仕方ないわね。あれだけ急にバウンドが変わるなんてついてないわ」

「うん、パパってこういうことも多いんだよね」


 7回裏2アウト1塁。

俺は打たれた気はしなかったので、すぐに次のバッターのことを考えた。

今度は右バッター、今日はここまでヒット2本。

まずは変化球で様子を見ようとした。

その前になんだか胸騒ぎしたので、牽制球をすばやく投げた。


 ランナーは少し慌てて、1塁に戻った。

ファーストも来るとは思ってなかったらしく、少しびっくりした顔をしていた。

ゆっくりと自分のところへボールを返した。


「よし、牽制球きちんと入れたわね」

「パパ、こういうときランナーを気にしない場合が多いからね。私の念が届いたかな」

「そうかもしれないね、姉ちゃん。なんか急に投げたような気がする」

 雪子も夏実も大輔もランナーが出たので、少しドキドキしながら見ていた。


  続いて初球は、外角低めのストレート。外れてボール。

 キャッチャーは、ゆっくりと返球。

「次は確実にストライクを投げるはずね」

 そう言うと、2球目はゆっくり落ちた。おそらくチェンジアップ。

 微妙なところだったが、判定はボールだった。


 キャッチャーは、ゆっくりと投げ返そうとした。

しかし、セカンドに向かうランナーを見て慌てて2塁へ送球。

ショートのカバーも遅く、セーフ。


「今のってディレートスチール?」

「そうよ。キャッチャー、何してんのかしら?」

 雪子はいらついた。2アウト2塁と一転してピンチ。


 3球目は、内角のシュート。鋭い当たりが3塁スタンドに入る。

そして、4球目は外角へチェンジアップ。

バットが出かかったが、外れて1-3。

そのあとベンチからサインが出たようで、明らかに外してフォアボールとなった。

2アウト1,2塁とピンチは広がり、代打が告げられた。

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