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最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
夢のつづき
52/73

もやもやする心2

 試合は1-0とリードし、これから6回表の攻撃が始まるところだった。

エース左腕・ゴールドマンが5回無失点と抑えていた。

俺は出番を待っていたが、いっこうに呼ばれない。

先に呼ばれたのは、もう一人のライバル投手だ。

どうやら7回から登板するらしい。


 となると、8回以降の登板になるはずだ。

しかし、左のセットアッパーのウィルソン、抑えのライトルも使うという情報もある。

もしかしたら、自分にチャンスはないのだろうか?

コーチに確認しようとしたが聞きづらかった。

俺の心は、もやもやしていた。



「坂本さん、スコアは、どうなってるんですか?」

「5回を終えて、1-0でリードしてるみたいですね」

 現地スッタフから聞いた坂本が答えた。

「もしかして、もう投げてたりなんてことは?」

 雪子はおそるおそる聞いた。

「いや、まだですね。今日は開幕投手が最後の調整で、5回まで投げたみたいです」

 水川家は、ほっとした。最後かもしれない姿を見たかったからだ。


「でも、先発投手が、もう少し投げそうな感じですね」

「そうなんですか」

「そうすると、水川さんにチャンスが来るかどうか」

 それを言われて、はっとした。

「ある程度、決まってますからね。これで登板がなければ厳しいかもですね」

 分かっていたことだが野球という世界は、いつも厳しい。

「大丈夫。祈りましょう」

 雪子はそう言うと、手を組んで登板があることを願った。



 6回表の攻撃。スターズは、1アウト満塁のチャンス。

 8番バッターが打席に入った。

「チャンスですね。これでダブルプレーにならなければ、代打が出るでしょう」


 水川家は、みんなで画面に釘付けになった。

次は投手なので、おそらく代打が告げられるはずと思ったからだ。


 しかし、3球目のカーブ。

完全にタイミングを外したバッターは、ボールを当てるのが精一杯。

投手へのゴロとなり、キャッチャー、ファーストと渡り、最悪のダブルプレー。

6回表も点が入らなかった。


「あー、これで先発投手が、もう1イニング投げそうね」

1-0のまま、裏の守りになった。予想通り、投手は変わらなかった。

しかし、このあとチャンスが訪れるのである。

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