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最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
夢のつづき
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卒業式後

 雪子と大輔は、夏実の卒業式に出席していた。

式は無事にが終わったが、やはり結果が気になっていた。


「あー、なんで今日なんだよ」

 子どもたちの声が聞こえた。大人からも聞こえる。

「今どっちが勝ってるんですか?」

「同点です。やはり、韓国は強いですね」


 本当は持ってきてはいけないのだが、持っている子は携帯電話で試合速報をチェックしていた。

式の途中もチェックしている大人が多くいて、雪子と大輔はあきれていた。

「うちだって、結果が気になるのに我慢してるんだから」

 しかし、気になるのはWBCではなく、パパの結果だ。


「みなさん、慌てずに来てくださいね」

 近くの公民館で試合の映像を流すことになっていた。

 その話を聞いて急いで進む人が多かった。


「おい、水川」

 大きな声で夏実に声をかけたのは、隣のクラスでテレビ局のスタッフの息子でもある坂本だ。

「決勝戦、見に行かないのか?」

「うん、うちはそれよりも、もっと大事なことがあるから」

「それでなんだけどさ」

 坂本は耳打ちした。夏実は全く聞いてなかったので、目を丸くした。


「うそでしょ。パパの試合と中継がつなげるって」

「いや、本当だって。それでWBCの試合が終わったら、つなぐってさ」

「いいの、そんなことしても」

「大丈夫だよ。父さんも水川の親父さん気に入って、また特集組みたいんだってさ」

 夏実は感謝の気持ちにあふれ、すごくうれしくなった。

「ありがとう、坂本くん。お母さんや弟にも言ってくる」

 そう言って、夏実は家族の元へ行った。



「ねえ、ママ。坂本くんから聞いたんだけど」

「もう聞いたわ。さっき坂本さんにお礼を言ったところ」

「そうだったんだ。とにかく早く行きましょ」

 3人は急いで会場である公民館に向かった。


「よし、日本が1点リードして8回表だ」

 会場は非常に盛り上がっていた。日本はあと少しで2連覇という場面だ。

「もう少し、時間がかかりそうね」

雪子のセリフの通り、このあと延長戦に突入した。

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