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最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
夢のつづき
36/73

ブルペン

「さあ、グラウンドに着いたぞ」

 俺は荷物を持って車から降りた。

「どーだ、グラウンドは?」

 俺はグラウンドを見て、唖然としてしまった。


「かなりボロイですね」

 グラウンドは、かなり痛んでいた。

「とりあえず、ユニホームに着替えてくれ!あっ、前のでいいよ」

「はい」

 とりあえず、俺は言われたとおりに着替えた。

 正直、体はまだ重たいのに。でも、時間も少ないようだ。

 そんなことを考えていると、山城さんに呼ばれた。



「おい、ピッチングコーチが来たぞ」

 そこには、アメリカ人と日本人がいた。

「初めまして、通訳の西川といいます」

 俺は軽く会釈をした。

「それとジョンソンコーチです」

 通訳は英語で話していた。


「Oh、nice to meet you」

 ジョンソンコーチは握手を求めてきたので、俺も握手をした。

「水川、この人がマイナーチームのコーチだ」

 そして、早速ブルペンに入るように言われた。



 ブルペンに行くと、キャッチャーが1人いた。見た目から、40代くらいか。

「じゃあ、準備をしてくれ。今からコーチが見てくれるから」

 そういうと、山城はどこかへ行ってしまった。

 とりあえず、俺は準備運動をし、体を温めた。


「じゃあ、水川さん、ピッチングを始めてください」

 通訳の西川の声で俺はブルペンに入った。俺はキャッチャーに一礼をした。

「では、自分のタイミングで始めてください」

 俺は胸に手を当てた。落ち着いたところで、ボールを握った。


「ストレート投げます」

 俺はセットポジションから、7割程度の力でストレートを投げた。

 バシッとキャッチャーミットから音が鳴った。


「good」

 後ろからジョンソンコーチの声が聞こえた。俺は同じようにストレートを投げた。

 メジャーのボールは質感が違うと聞いていたが、気にならなかった。

 10球投げ終えると、次は変化球を投げるように指示された。

 スライダー、カーブ、シュート、フォークと順番に披露した。

 本調子とは程遠いので曲がり方もイマイチだった。


 すると、コーチが打席に入った。

俺はストレートを交えて投げるようにと言われ、投げ続けた。

40球ほど投げたところで、コーチから指示が出た。


「チェンジアップ投げれますか?」

 そっか、メジャーはチェンジアップが主流と聞いたことがある。

「一応、投げれます」

 そう言って、チェンジアップを投げた。

 なんと予想以上の落差があり、キャッチャーも少し慌てていた。


「nice ball」

 コーチから笑顔がこぼれた。

 最後にストレート投げ、ブルペンでの投球を終えた。



 俺はなんとか投げきることができたが、ヘトヘトだった。

終わったあと、コーチから意外な評価をもらった。

「一番よかったのは、チェンジアップです。あと、フォーク、シュートも武器になると。スライダーとカーブはイマイチだそうです。それから、ストレートはもう少し速いの投げれます?」

「はい。シーズン中は、もっと早いかと」

「そうですか」

 そう言って、西川はジョンソンコーチに伝えていた。

「とりあえず、今日のところはおしまいだそうです」

 俺はほっとした。


「じゃあ、球団事務所に行くから」

 俺はすぐに着替えて、山城の車に乗った。

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