表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の挑戦  作者: 石井桃太郎
戦力外通告
25/73

2回目に向けて

 俺は2回目に向けて、本格的にトレーニングを開始した。

練習を終えたら、先日、引退したばかりの北田さんに声をかけてもらった。

いろいろアドバイスをもらうために食事に行くことになった。


「忙しいところ来てもらって悪いな」

「いえ、とんでもないです。ありがとうございます」

 北田さんは球団職員に転身した。今は新人とか冗談を言っている!



「水川。まだ現役でやりたいんだよな?」

「はい」

「だったら、もっとアピールをしなきゃダメだな。結果も大事だけど、他の選手を圧倒するようなことをやらないと。1回目のトライアウトを見てたけど、大崎にインパクトを取られてたぞ」

 そう言われて、うなづいた。


「あと実績が足りないな。先発は2軍のみ。1軍ではリリーフ登板で何試合に登板したんだ?」

「通算だと70試合を少し越える程度です。一番よかったのは、4年前」

「そのときの成績は?」

「たしか20試合に登板して、防御率が3,36だったと思います」

「う〜ん、実績でも足りないよな」

 北田さんは腕組みをしていた。


「ドラフトの順位は、何位だったんだ?」

「6位でした。直前に挨拶に来られて、まさかの指名です」

「スカウトは山城さんだったよな?」

「はい、そうです」

「そっか・・・大卒で6位だから評価は低いな」

「まっ、そうですよね」

 俺は自分の過去を振り返っていた。本当に無名の選手で、プロは考えてなかった。

 大学では英語を専攻していたし、英会話講師とか通訳を考えていた。しかし、まさかの指名!



「でも、俺よりは評価が高いな。だって、俺はドラフト外だぞ!無名の高校から入って、1年目は雑用係みたいなもの。先輩から、こき使われたよ。4年目に“若手に切り替える”方針になって、起用されたんだ。それで活躍することができてな。今思うと運がよかったな」

「そのとき、見てました。北田さん、急に出てきて、すごかったです!」

 当時、彗星のように現れ打ちまくった。.350という高打率で首位打者を獲得した。

 このとき、まだ22歳。高3だった俺は大学進学に向けて、勉強をしていた。


「水川は、きっかけがなかったように思う。そして、ずるずるきてしまった気がするよ」

「そうなんですかね・・・」

 俺は考え込んでしまった。


「話はトライアウトに戻すけど、大崎とはいい勝負だった。さっきは辛口なことを言ったけどな。球場も一番盛り上がってたし。他の球団も、どうして取らないのか不思議だよ」

「ありがとうございます」

 そう言われて、俺は素直に嬉しかった。


「俺の予想だけど、今度は必ずどこかの球団が右のリリーフ投手を取るぞ。FAや外国人の退団で枠に空きができたところもあるし」

 それを言われて、俺は期待に胸をふくらませた。


「俺の中では一番いいのは水川、お前だ。ただし、インパクトが少ない!何かやらないとな」

「はい。でも、どういったことをすればいいんですか?」

「たとえば・・・こうするとか」


 俺はすべての言葉を真剣に聞いていた。ひとつ秘策をもらった。

ただし、インパクトはあるが成功するかは分からない。

俺は実行するかしないか迷っていた。



「じゃあ。いい報告、待ってるよ」

「はい、ありがとうございました」

 そう言って、俺は別れた。とてもいい話を聞くことができた。

 俺は2回目のトライアウトに向けて、全力を尽くすことを誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ