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初恋の日  作者: いぬこ
2/2

恋に落ちる時

―杉本修司―

始めてちゃんと喋ったのはいつだったかな···確か4月の終わり頃だった――

チャイムが鳴り昼食の時間となった。俺は自分の席で友達と弁当を食っているとなんとなく隣の席の櫻子さんを見た。何も食べずに本を読んでいた。何気なく『高梨さん昼食食べたの?』と聞くと『あ、えっとお弁当と財布を忘れてきちゃったから。』と言いながらお腹がグーっとなったので恥ずかしそうにうつむいてしまった。友達は気づいていないらしい。呑気に『高梨さんって意外にどじっ子なんだな。ギャップに萌えるよな~』とこそこそ言っていた。『おにぎり余ってるんでどうぞ』なんて言ってしまった。女子に対して失礼だったかなと思ったがもう遅かった。高梨さんは『ありがとうございます。気を使わせてしまってごめんなさい。』と言って受け取ってくれた。赤い顔をしたままおにぎりを食べる姿はとても可愛らしい一面をみれて嬉しかった。

―――青春だよな~と我ながらじじくさいことを考える。今では青春を思いだして酒を飲むサラリーマンだ。『初恋引きずってるとはな···』今ではどこでなにをしているかさえ知らない最初で最後の恋の相手に思い馳せている。


―高梨櫻子―

私はいつから修司君を目で追うようになったっけ。確かあの時――

『ん~っ』どんなに頑張っても届かない。なんとなく図書室でジャンプなどしてドタドタするのは気が引ける。さあ、どうしようかな。なんて考えていると後ろから手がスッとのびて私の目当ての本をとった。『はい高梨さんが取りたかった本ってこれ?』と渡してくれた顔を見ると隣の席の杉本君だった。『ありがとう』私は少し間抜けな顔をしていただろう。『ん。別いーよ』そう言いながらどこかへ行ってしまった。なぜかドキドキしていた。簡単に言えば恋に落ちたのだった少女マンガのようで自分でも驚いている。ああこれが恋なんだ。と少し客観的に考えながらも心臓の動悸は止めることは出来なくて。それからはいつも見てしまっていて·····

同じ帰り道って気付いた時嬉しくて通学路で姿を探してしまう。我ながら恥ずかしい事をしてるな~と少し思うけど止められなくて――

私って意外に青春っぽい青春を歩んでたんだね。今では初恋引きずってるだけのOLだ。

これからも頑張ります

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