第15話「レストランからの!?」
「いらっしゃいませ!2名様ですか?」
「はい」
「それではあちらの席でお願いします!」
「はい。」
俺と榑亜はテーブルに座り、メニューを見た。
お腹が減っているため、早く食べ物を食そうとしている。
俺が選んだのは、若鶏のグリル(ダブル)とラージライス。
教えよう。ダブルと言うのは、若鶏のグリルが二つあることを言うんだ。
まあようするに若鶏のグリル二つ的な。
この二つを頼むと腹一杯になるし、金が千円いかないので中学から食べている。
「榑亜、食べ物決まったか?」
「勿論です!お腹減ってるので早く頼みましょう!」
俺は、プッシュベルを鳴らした。
かなりの早さで店員が来た。
「ご注文は何になされますか?」
「えーっと。若鶏のグリルのダブルとラージライスとコーラで。榑亜は?」
「えーっと私は。フランスパンと紅茶で。」
「以上でお願いします!」
「はい。ご注文を確認いたします。若鶏のグリルダブル。ラージライス。コーラ。フランスパン。紅茶でお間違いないでしょうか?」
「はい。」
「それでは失礼します。」
ちょっと榑亜さん。質問どころかなりあるんだけど。
腹減ってるとか言ってフランスパンとか何?
お前の腹は小動物かよ。
「お前、それだけで足りるのかよ。」
「はい!フランスパン食べるとお腹いっぱいになるので!」
「足りなかったらすぐ頼めよ!」
「了解ですっ!」
てか明日から学校か。
俺はポケットから、朝拾ったクマの可愛らしいストラップを取り出した。
これをあの人に渡さないと駄目か。
噂だとビッチだとか、援交だとか。
俺がその世界に踏み入れてる人に話しかけるなんて想像もしなかった。
あとこのストラップを持ってる事も想像出来なかった。
学校、修羅場になりそうだな。
彩華に何て説明をしようか。
いきなり美少女が俺の家に来た。でも良いのか?
駄目に決まってる。そんなもので通るなら、こんなに
必死に考えてなんかない。
彩華は気が利くから大丈夫。かな?
問題は犁兎だよ。
いきなりきれられるしいきなり美少女が家に来たら嫉妬するだろ。
はあ。なんか落ち着いた生活がしたい。
昨日と今日で大分疲れた。
「榑亜、もう一度聞く。なんで俺の家にいるんだ?あと転校して来た初日から俺に好意を寄せてたのは何故だ?」
好意を寄せてたのかどうかは別として、大好き?と言われたわけなんだし。
キスとかしてみたいな。
やばい。ぼーっとすると恋愛脳が出てくるな。
「それは後で知ることになります!今話してもあまり意味が無いので!」
「まったく。そのかわり後で絶対教えろよ!」
「はいはい!」
料理が届き、俺達は食事を食べた。
「榑亜?フランスパン美味しい?」
「もぐもぐ。」
「榑亜?」
「もぐもぐ。」
「おい!」
「おいひいでふ。」
食べるのに集中しすぎじゃね?。
「おいひいでふじゃなくて。まあ美味しいならいいけどさ。」
俺はすぐに食事を平らげた。
「美味しかったー!」
「腹いっぱいだ。」
「絢介さん口にお米ついてますよ?」
俺の口についたお米を取り
「子供だなあ」
と言いながら榑亜はお米を食べた。
「あ、」
これはドキッとする。
でも失恋が辛いからそこまでは感じられない。
「なんてことをするんだよ!」
「すみません!許してください!束縛でもなんでもしていいので!」
「何もしない!そうだ!犁兎に昼飯買って行ってやろう!」
「犁…兎?」
戸惑ったような顔で言う榑亜。
「俺の妹だよ!名前はまだ言ってなかったか!悪い悪い!」
「妹さんなら、血縁関係が繋がってるので、エッチな事は出来ませんので安心です!」
なんでこいつは、飯を買って行くだけでこうなるのか。将来が心配だ。
「まず、なんで飯を買ってくだけでそこに繋がる?明らかおかしいよね?」
「すみません!調子乗りました。」
妹をそんな目で見ているとでも思っているのか?そんなやつに見えるのか。
犁兎とエッチな事?
また、変な妄想スイッチ入ったよ。危ない危ない。
俺は、プッシュベルをもう一度鳴らした。
「お土産で、ミートソースパスタ一つお願いします。」
「少々お待ち下さい。出来上がり待ちたらお持ちいたします」
俺達は10分間ほど待つと、店員がミートソースパスタを持ってきた。
「そろそろ家に帰るか?」
「そうですね!帰りましょう!」
本当のカップルなら、ここで彼氏が彼女を送って行くのだろうけど、仮の彼女(榑亜)は俺の家だから送って行く必要もないな。