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第13話「死亡フラグじゃないっ!」

ガチャッと鳴る音。


UFOキャッチャー特有の音楽が鳴り響く。


ぬいぐるみの取り方など知らない俺。


どーすれば取れるのかなど悩んでいる暇なんてない。

横を見れば榑亜がニヒニヒしながらぬいぐるみを見ている、その姿を見たら店員にも聞けないだろう。


昔はゲーセンに行くとしたら、100円で遊べるカードのやつばかりやっていた。

そんな俺に対してUFOキャッチャー。


ハードル高過ぎてるでしょ。


我に帰り俺はUFOキャッチャーを見ると。

アームが勝手に動き出して開き出した。


「なんで!?」


榑亜は此方(こちら)の顔を、ちらと見て。


「どこを狙ってるんですか?そこは景品を落とす穴じゃ…」


「わかってるって!そのぐらい!」


UFOキャッチャーって時間が経つと勝手に動きだす仕組みだとは。


最近のゲームはわからない。

俺はまた100円を入れた。


「今回は取れるから!」


冷や汗をかきつつもバレないように言った。


「次こそお願いしますよ?」


頬を赤く染めながら言っている榑亜の姿に見惚れた、だがまた同じ過ち(勝手に動き出すアーム)を犯すわけにもいかないのでぬいぐるみの首元を狙った。


狙い所に無事に命中!


だがアームの力が弱いのか、それとも自分が下手なのか、首元に引っかかったが上までもっていかずスッとアームから離れていく。


榑亜は俺の横で、はあ。とため息を吐く。


まだ2回目だというのに俺がUFOキャッチャー初心者ということに気がついたのか?


榑亜はとても残念そうな顔をしていた。


その姿を見ると取らなくては!と思ってしまう。


また100円を入れた。


結果は同じ。


何回も、何十回も繰り返した。

そして何回も榑亜のため息を聞いた。


財布を見ると一万円札が二枚。

千円札が5枚。


おおよそ五千円ほど使ったのだと気がつく、それでもここまでやっては、諦められない。


榑亜のためではなく自分のプライドのため。


ぬいぐるみを見ても最初においてあった場所とほぼ変わっていなかった。


「もう大丈夫ですよ!次やりたいことありますから!」


「駄目だ!諦められるか!」


「え?なんでですか?」


「ぬいぐるみ欲しいんだろ?」


「は…はい!」


「次でとるから、任せな!」


そう言うと、榑亜は頬を赤くして下を向いた。


両替機に行って、五千円札全てを百円玉に変えた。


まわりから変な目で見られたがそんなことは気にしてなどいられない。


俺は再度UFOキャッチャーのアームを動かした。


今回は逆転の発想でぬいぐるみの足を狙ってみることにした。


足を狙ったが足には命中せずにそのまま下に行ってしまった。


「くっー!」


はあ。と榑亜がため息をついた直後アームがぬいぐるみのタグに引っかかった。


「おおー!」


出そうとしても無い声がでてきた。

景品がアームにタグがひっかかりそのまま景品口に辿り着いた。

その時俺は始めて奇跡(ミラクル)を起こした。

榑亜は景品口からぬいぐるみを取り出した。


「絢介さん!」


「ん?どうした?」


「ありがとうございます!」


「おうよ!」


人からありがとうってこんなに嬉しいんだ、もちろん取れたことも嬉しかった。


何度も同じのをしてるうちにコツを掴んだのか、かなり景品が取れるようになった。


ぬいぐるみ5体。全部色が違うものをだ。


「あれ?絢介さん!かよわい女子に荷物持たせませんよね?」


逆に俺がこんなにぬいぐるみを持ったら変態だよ!?

俺も制服で榑亜も制服だから他からは彼女と思われてるのかな?


学校が他の人からあると思われてるなら俺達は不良に見られてるってことか。


しかし俺は金髪、榑亜は赤髪不良に見えるから授業サボりとも見られるな。てかその前に今日だけのカップルだから。思い込み激しすぎるでしょ俺。


「最初から持ってやるつもりだよ!」


「ありがとうございます!」


とかいいつつも本当は持ちたくなんてない。

時計を見ると針が12時をまわっていた。

時計をみた瞬間お腹がぐぅーっとなった。


「腹減ったから飯食わないか?」


榑亜は視線をそらし、女子特設コーナーの方をちらりちらりと見ている。


「どうしたんだよ。」


「絢介さんと、プリクラ撮りたい」


と甘えた声でいってきた。

可愛いと少し思ってしまった自分がとても恥ずかしかった。

甘い顔をすれば何でも言うことを聞く男じゃないってことを見せないと!と俺は思い


「腹が減ったんだ!」

と強めに言うと。


「お願い。」


また甘えた顔で言われたためどうしようもなくなり、食欲より恋愛脳が勝ったらしい。


「分かったけど。プリクラのやり方なんか知らないぞ?」


俺は本音を告げた。

プリクラというのは女同士が撮る、詐欺カメラとしかみていなくもちろん撮ったことなどない。


「きてください!」


榑亜に手を引っ張られプリクラまで連れて行かれた。


「どうやるんだ?」


「ここにお金を入れてください!」


「400円ね!」


100円玉を4枚ほど入れると、液晶の前に榑亜が立ち、何かをしだした。

すぐに俺の隣にきて腕を組んだ。


俺はまた動揺してしまった。


「あそこにカメラがあるので!カップルらしくお願いしますね!」


カップルらしくなんかいわれてもこんなことしたことねえんだって!


「カップルらしく何てわかるか!」


と俺が榑亜の方向をみて言った直後シャッター音がなった。

液晶に今撮った写真が映った。


俺が榑亜の方向を見て怒っている写真になっているかと思いきや、

丁度榑亜のほっぺたに俺がキスしてるような写真になっている。


「キスなんて早いですよ?」


「写真だけだ!キスなんてしてない!」


「またすぐにとられてしまいますよ?笑ってください!」


「はいはい!」


^_^このような顔をしてカメラに向いた。

またシャッター音がなった。

今度の写真はとても俺が美形になっていてとてもびっくりした。

榑亜はほとんど何も変わっていなく、俺はプリクラ撮るより普通に自撮り2人でした方が良いのでは?などと思った。


「次はピースでお願いします!」


「おけ!」


またシャッター音がなる。

俺って案外イケメンかも?


なんてな!目がぱっちりしてればこんな顔になれるんだ。とも思った。


そんなことをしてるうちにプリクラが終わった。


ペンタブレットの方に移動して、お絵描きをした。

俺はやり方がわからない為全てに榑亜にまかせた。


その間俺は女子特設コーナーを見渡した。

俺は女子特設コーナー=プリクラ

だと理解した。

その前に女子特設コーナーに来て良いのか?

周りから見られると思ったのはそれが原因か。


「榑亜!ここって女子特設コーナーだから男は駄目なんじゃないか?」


「良いんですよ!カップルなら!」


本当こいつは俺の事彼氏って思ってくれてるんだな。


「一つ抜けてるぜ?今日限定のな!」


「は、はい!」


少し元気が抜けたのか榑亜は弱々(よわよわ)しくいった。


「終わりましたので、こっちに来てください。」


「おう!」


編集が終わった写真を待つ最中沈黙が続いた。


「榑亜、1日だけのカップルじゃなくて本当のカップルになれればいいな!」


これが1番言って欲しい台詞だろう。


「私、それまで頑張ります!」


元気も出てよかった。

榑亜は写真を取り出し、俺には1枚もくれずバックにしまった。


「飯いいか?」


「はい!今度こそ絢介さんのしたいことで!」


「ここら辺だとアルゼニアが近いな!」


アルゼニアというのは近所のフード店、中は西洋仕様でとても落ち着いた感じがする。


ピザなどは500円以下で食べられる為中学校の頃は友達とかなりいったものだ。


「なら帰りながら行きましょうか!」


「おう!そうしよう!」

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