第12話「苦悩の選択!?」
ショッピングモールに入り、何をするかを10秒ほどで考えた。
「ゲーセンなんてどうかな?」
「はい!UFOキャッチャーやりたいです!」
「了解!それじゃあいこう!」
1日だけのカップルなのになぜか楽しく思えてきている。
まだ始まったばかりだと言うのに自分の恋愛脳がみたされていっているのかがわからない。
俺と榑亜はゲームセンターに向かった。
「美樹とは、デートなんてできなかったんだよな。」
ぼそっと呟く俺。
「今何かいいましたか?」
「いや、何もいってない!」
無意識にこんなことを口にするなんて危な過ぎるだろ俺!とりあえず落ち着こう。深呼吸!深呼吸!
はぁーふぅー。はぁーふぅー。と2回繰り返す。
「絢介さんって、彼女出来たこと無いんですか?」
この言葉に俺は少し動揺した。
美樹と付き合ってたことを言って良いのか、それとも嘘をついて出来たことなどないと言うか。
どちらにしてもいいずらい。
どうすれば良いんだ。
俺は榑亜にとってどちらが良いかを考えて、答えを出した。
「この顔で出来るなら、誰でも出来るだろ!」
無理に笑みを見せて俺は言った。
少し笑い方が不自然過ぎたのか、素で笑っているのかはわからないが榑亜は、俺の顔を見ながら笑っていた。
「ですよね!なんかとても嬉しいです!初めての人って感じで!」
ごめん榑亜。
本当は元カノの事を言った方が良いんだが、言ってしまったらこのデートが修羅場に…ていうか嫌われるフラグだから…ごめん!
いつか絶対言うから。
「おう。ゲーセン着いたからとりあえずUFOキャッチャーでもやるか。」
「そうですね。やりましょう。」
榑亜は財布を持っているのか?その前にお金は?
とりあえずなさそうだから払ってやるか。
「このぬいぐるみ可愛いですね!」
これはとってやらないとまずいな。
てかUFOキャッチャーあまりやったことないし…
金ならあるから頑張ってみるか。
「お、おう!とろうとろう!」
口からでまかせででた言葉がこれ。
まあなんとかなるか。
榑亜の服はゴスロリっぽいし、結構顔可愛いし外国の子みたいに見えるのは俺の目の仕様か?
それにこのぬいぐるみを抱きながら上目遣いで「絢介さん、私をぎゅ~っとしてください」
なんて言われたら俺の理性なくなって野生の動物になるよ。
俺の夢を広げるためにも取るか。
って!何を考えてる俺!
妄想ふくらませすぎだ、俺の変態!
今絶対キモい顔してたろ俺。
「榑亜?」
榑亜はぬいぐるみに凝視していて、涎を垂らしながら
「可愛い」
とブツブツ囁いている。
てことは俺の顔が見られてない。
助かった〜!
「そんなに欲しいなら取ってやるから!」
ぬいぐるみの熊は、サディベアと呼ばれているらしく。
今の女子高生から人気があるらしい…多分。
カラーは5種類。
赤、黄、青、黒、ブラウン。
最後だけカッコ良くいってみた。
現時点UFOキャッチャーのケースの中に入っているのが赤色のサディベア。
誰かが少し前にやったのか、ぬいぐるみが少し前まできていてとても取りやすそうにみえた。
経験の少ない俺でもわかる。これなら取れる!。
「じゃあやるよ!」
ごくんっと固唾を飲み俺は100円をいれた。