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第11話「俺の初はこいつかよ!」

まあこんな事だと分かっていたが、俺には恋愛脳なんてとうに消えている。


美樹にふられた時から、恋愛というものの必要性について深く考えてしまう。


付き合っていてもどうせ別れる。


俺を陥れる《おとしい》為に付き合う。


どうせそんな事だと考えてしまう。


体が異性を求めても、脳が拒否する。

前に言ったのは

「リア充生活してやる!」

だが。本当にリア充生活をして何かが変わるのかなどとも考えてしまう。


もし俺が榑亜と付き合ったとしても、また美樹と同じようになるだけだと思っている。


どうすれば変わるんだ?


駄目だ。こんなんじゃ。


一回の失恋で折れるような俺じゃない!俺の心は折れない!


リア充生活したいなら俺は俺らしく!生きて、もしまた失恋したとしても支えてくれるような人を見つければ良いんだ!


俺はこの時、失恋というものを心の中にしまい今後また人を愛せるような努力をしたいと考えた。


「流石にまだ会ったばっかりだし、普通に今は無理だ!」


「なら今日1日だけカップルになってください」


条約がこれで無くなるなら、これで良いだろ。


「おけ!カップルになれば良いんだろ?そんなの余裕だよ!」


俺の腕にまるでマシュマロのように柔らかい物が当たった。


榑亜が腕にくっついてきたのだ。


その時俺はとても恥ずかしく、それにドキドキした。


「お!おい。胸が当たってるし、くっつき過ぎだろ。」


「カップルですよぉ?絢介さんとりあえず何処かいきましょー!」


「分かった。カップルな。今日だけお前を好きでいるから。」

と棒読みで言った。


榑亜は棒読みに気づいていないのか。


「はいっ」


「とりま、学校から出よう。レストランでも、なんでも良いぜ?」


こんな感じかな?カップルの男子なんて


「絢介さんどこ行きたいですか?」


俺が行きたい場所決めたらダメ男だ。

ここら辺で、カップルが行く場所はといえばえーと?


ショッピングモールと、遊園地、お食事ぐらいかな。

でも遊園地はレベルが高過ぎて俺のレベルじゃ大抵挑めない。


もし俺にこの言葉が言えるなら言ってやりたい。


「榑亜の事好きだから榑亜といられるならどこでも良いよ!」


もし俺が本当に榑亜の事が大好きで感情をさらけ出したかったら言えるが今の俺じゃ無理。


「榑亜はどこが良い?俺は何処でも大丈夫だ!」


「えーっと?ショッピングモールなんてどうでしょう?」


榑亜にしては無難な所だな。

ご飯も食べられるし、大丈夫かな?

もし暇になったらゲーセンだ!


「おう!良いぜ!とりあえずさ恥ずかしいからもう少し離れよう?」


「嫌です」


本当に可笑しいな。


こんなに可愛い子とデート出来るなんて。


本当に何が起こるかわからない世の中だ。

俺は、出来る限り早く帰りたいと考えながら学校を出た。


学校から徒歩5分ほどにショッピングモールがあるので徒歩で行くことにした。


移動している最中やけに視線を感じているなと思って周りを見渡すと、

(おい!こんなとこでイチャイチャかよ。)

(女の方可愛すぎでそれに対して男は…プププッ)

(なにあの、死んだ魚のような目)

最後だけ関係ない生まれつきです。


母に言ってください。お父さんにでも大丈夫です。

遅く歩いていると視線がとても集まって、気まずくなるので早めに歩くように榑亜に指示を出した。


「榑亜、もう少し急ごう!」


「はいっ!」


なんて会話をした後すぐにショッピングモールについた。


前に、親から女の子とデートする時は相手を暇にさせたらダメと言われてきていて、このデートを俺は今後の模範にしようかと思っている。


簡単に言うと、本物のデートが大会でこれは練習試合のようなもの。


榑亜に言ってしまうと可哀想になるので言わないようにした。


「ゲーセンでも行かないか?」


自然に言えたおれの顔がドヤ顔になっていないかが不安になった。


「はいっ!行きましょ!」


とにっこり笑う榑亜。

ショッピングモールにいくと視線をさっきよりも感じる。


「そうだな!行こう!」


「はいっ!」


榑亜は、俺の腕をさっきよりも強く抱きしめてきた。


ドキドキし過ぎて他の音が何も聞こえない。

胸の音を聞かれると何か言われるので精神を落ち着かせた。


いや?別に榑亜が好きなわけじゃない、こんなかわいい子の胸が当たってるんだぞ?男ならドキドキするよね?。

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