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第9話「屋根下の馬鹿×変態」

これまでの登場人物


龍宮絢介 主人公

リュウグウシュンスケ


龍宮犁兎 妹

リュウグウリト


藤雅美樹 元カノ

トウガミキ


天原彩華 幼馴染

アマハラサイカ


清乃葉榑亜 竜宮にデレデレ

 シンノハクレア


綱我魔琴 友達

ツナガマコト

チリチリーン。チリチリーン。

と声?音?がする。

俺はいつも通りの6時半に目覚ましをセットしてあり、それを止めようと手を伸ばした。

目覚まし時計のボタンをおしても音は消えない。

時計を見るとまだ6時20分だ。あと10分もあるのになぜ音がなっている?

俺の頭にはてなが浮かんだ。


「おはようございます!今日も頑張りましょーう!」

榑亜の声と同時に鳴り止むチリチリーン。


一瞬俺は理解が出来なくなった。

目覚めたばかりの俺の脳内ではそこまで瞬時に理解することなど不可能であった。


俺は状況理解をするために頭の中を整理した。


まず、榑亜がどうしてここにいるのかという事。


1分ほどしてようやく状況が飲み込めてきた。


榑亜がチリチリーン。と目覚まし時計のモノマネをして、俺を起こしたのである。


ただそれだけだった。


「おはよう。とりあえず歯磨いてくるわ。」


どうせ起こしてくれるならもっとこんな感じのがいい。


「絢介さん?おはようのキスください」とか恥ずかしそうに言ったりさ。


美少女にやられたら男子なんかイチコロだろ。


「はいっ!私はご飯を作って来ますので。材料なら私が持って来ているので大丈夫です!」


ん?どこに材料入れてるんだ?


変なものとか入ってないよな。


でもそんなこといったら悪いしな。しょうがない。

てか疑問に思ったことがあるんだが。

榑亜が俺の家に泊まっているというか、むしろ住みついているという件について。


「ご飯作ってくれるなんて夫婦みたいだな。まあありがと!で?話を変えて。お前はなんで俺の家にいるんだ?」


「夫婦なんて?嬉し過ぎます!絢介さんの新妻ですっ」


ダメだ。こんなこというとこいつは調子に乗る。


「比喩を使っただけだから。別に夫婦とは思ってない。てかむしろ思いたくない。で!さっきの話は?」


「えーと?ですね?好きだからという理由ではダメでしょうか?」


そんなに簡単に好きとか言って。前の学校ではビッチとかだったり?


俺まだチェリーボーイだから、それを狙って将来的に俺をもてなくさせようとしている?なんてやつだ!


「好きだからいるなんて理由になってないんだが?そんな簡単な理由なら誰だって好きな人の家に住むだろ。」


よしっ!これが1番良い返し方だ。

はっきりいってやらないと美少女はダメなんだよ。


どうせ顔が恵まれてるから、ちやほやされてきたんだろうから。


俺なんか全てに関して普通だよ。

勉強もそこそこ。運動もそこそこ。

しいてダメと言うなら、恋愛経験が豊富ではないため、女子を口説けないってとこか?

まあ別に口説かなくても運命の人は見つかると信じている。


「ならこういうのは、どうでしょう?神様から高校2年になったら運命の人と暮らせ!と言われてるのです!」


「さっきより理由になってないよそれ。真面目な理由をいえ。」


こいつは天然なのか?美少女がこんなに近くにいるのにドキドキしないのはなぜだ?胸だってそこそこ大きいしスタイルだって抜群だよ?


「はい。」


いきなり真剣な顔をする榑亜。

俺も、ごくんっと唾を飲んで、話を聞こうとした。


「嘘ではありません。この話は本当なので聞いてください。」


そこまで真剣な顔で言うか?

自分の部屋であるのにもかかわらず、まるで誰もいない学校の教室みたいに静まり返った。


「おう。」


できる限り早く話を聞き、学校へ向かいたい。

学校なら榑亜は隣でも、クラスメイトがいるから。まだ大丈夫なのだ。


別に榑亜が嫌いとかじゃなくてこのままこいつのペースに飲み込まれたくないだけ。


「えへっ。なんでもないですっ。わかるときが来ますから!」


3秒ほど静まり返った部屋で絢介(俺)は唖然とするほかなかった。

気まずい空気になったのを察知した榑亜は気を利かせたつもりなのか榑亜はエプロンをすぐに巻いた。


「ご飯を作って来ますので。あと30分ほど待っててください!」

「あ、了解」

るんるん。と鼻歌を歌いながら俺の部屋を出る榑亜。

俺が深呼吸をしたときだった。

ドアがいきなり開いて壁とドアの間の隙間から顔を出す。


「裸エプロンのが萌えますか?」


ニヤニヤしながら目で発情しろ見たいな感じで訴えてくる榑亜。


「普通のエプロンで大丈夫です。」

「夜のお楽しみですもんね?」


そういって満足そうな顔をすると


「ちょっお前!俺の妹いるからっ!」


当然ながら俺の言ったことなど聞いていなかった。


今日は学校のため、いつもどおりの制服に着替えネクタイを締め、学校へ行く準備をした。


榑亜が寝た布団を、たたみ部屋の端っこに置いた。

いつまでこの布団を使うんだ。

このことが学校でばれたら大惨事だよな。



榑亜が持って来た旅行用のキャリーバッグが置いてあり、俺は好奇心からか見てしまおうとした。


別にパンツをみたいわけとかではなく、女子高校生は、何を基本的に持ち歩いているのかなどだ。


まあ少しはパンツが何かも知りたいが、地味パンは絶対ないと思う。


ふと時計に目をやると7時半を回っていたため。急ぎめだとおもい自分の部屋を出て、だだだ。っと階段をおりリビングに向かった。


幸い妹はいなく、エプロンで皿に料理を乗せてる榑亜だけがいた。


リビングに美少女というシチュエーションが俺にとっては少しだけ喜ばしいな。


榑亜が作る料理は変なの(ゲテモノ)を想像していたが、平凡な料理でびっくりしていた。

ご飯。味噌汁。レタス多めのサラダ。焼き肉。(塩コショウ)

というわけだ。


俺は椅子に腰をかけて料理が来るのを待った。


「どーぞ!食べてください!」


榑亜は俺の前に料理を並べてにっこりしながらいった。


「いただきます!」


俺はどこで材料を手に入れたのだ?

向かいの席で榑亜はニコニコして鼻歌を歌いながらこっちをみているためそんなことを聞けるわけがない。


「美味しいですか?」


見栄えとしては非常に家庭的な料理。

一般家庭が毎日食べていそうなほど平凡な料理。

しかし味はそこら辺の飲食店とは比較にならないくらい美味しい。


「美味しいよ。わざわざありがと。でもお前料理作ってポイントあげようとしたな?」

「えっ?何がですか?」

おろおろとする榑亜。

反応が面白いため俺はもう少し遊んで見ることにした。


「それとも夫婦ごっこの真似か?」


ギクッとする榑亜。

やばい。こいつわかりやすすぎる。


「なわけ…ないじゃないですか!早く食べないと学校遅れますよ。

 私は食べ終わったので着替えてきます。覗かないようにお願いしますね!」


逃げられた。


テーブルからすぐに立ちダッシュをするようにして、上に向かった。


そんなに音を出してしまったらいもうとが気付くと思ったが起きては無かったらしい。


俺は犁兎が遅刻してしまうのではないか?と心配したが。榑亜がいることがばれたらもっと修羅場になるのでやめておくことにした。


俺もテーブルを立ち、時間に余裕があったため、テレビをみた。


ニュース番組で、アニメについて報道されていた。

秋葉原で、アニメのフィギュアを買いに来たおじさんに質問をしているアナウンサー。


おじさんとは言っても二十代前半と書いてある。俺からみたらおじさんなのでおじさんにしておこう。


アナウンサーは

「アニメの魅力とはなんですか?」と聞く。


おじさんは、

「この人間界には無い魅力があるんです。まずこのフィギュアみてください。」

と熱心に、アナウンサーに何かを伝えてる姿に俺は目を奪われていた。


おじさんは

「僕が高校生の時はずっと思ってました。美少女が、転校して来て、

 自分の家に泊まり込んで一つ屋根のしたで暮らすというのが夢でしたから。今では懐かしい思い出です。

 絶対にないことを高校生当時は夢にまでみていましたからね。」

 と熱意をこめて言ったおじさん。


「それほどアニメが好きなんですね。」


おい!アナウンサー。こんなに熱心に話してるのに何て返しだよひどいな。

てかさ。おじさんに会えたなら言いたい。


美少女が転校して来て自分の家に泊まり込むなんて良いことじゃ無い。


まず一人の時間がなくなる。


しかもまだ1日しかたってないのにここまで疲れるとは思わない。


しかも俺の展開ってアニメに似てるかもしれないな。

まあ別に俺の人生はなんだっていいけど。


「絢介さん!先行ってます!ちょっとよるところがあるので!」


榑亜は玄関を飛び出し、扉がしまった。

ってもうこんな時間か。


徒歩10分ほどで着くのでとても助かっている。

時計は8時半。8時50分には着席をしていないといけないので、少し余裕が無い。


犁兎は良いのか?

いや高校生だし大丈夫か!

そんなことを考えながらも俺は家から出た。

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