チート
俺は気が付くと見渡す限りに広がる草原に立っていた。
前の世界では感じた事がないほどの濃い草木の香りが心地いい。
空を見上げると、蒼い空に鳥の集団が飛んでいる。
鳥の鳴き声に混じって水音がどこからか聞こえてくる。、近くに川か泉でもあるのかもしれない。
「すごいっ」
綺麗な景色に思わず声が漏れる。
ひとしきり目の前に広がる大自然に感動した後、妙に自分の視界が低いことに気がつく。
比較対象が近くにないからはっきりとしたことは言えないが150cm前後だろうか?
優に20cmは縮んでいる。
まぁ、別に身長にこだわりはないから20cmだろうが30cmだろうが好きに縮めばいいけど、理由がわからないのは少し気持ちが悪い。
流石に、一日ごとに20cm縮まれたら数日の内に消滅するしな。
「そういえば、必要な知識は頭の中に入れておくって言っていたな」
女神の言葉を思いだし、頭の中に意識を集中する。
「ぐっ」
一気に大量の知識が流れ込んできたので、慌てて知識の奔流を押し止める。
「痛ってー、知識ありすぎだろ」
すぐに止めたから得られた知識は軽い一般常識と自分の体の事だけだがそれだけでもかなり痛かった。
今後は必要なときにだけ頭の中の知識を得ることにしよう。
っていうか、一般常識の中に世界に存在する全ての言語での読み書き会話が入っているのがおかしいと思う。
女神過保護過ぎだろ!
今は誰も理解できない古代語での読み書き会話って、習得してどうするんだよ!
この分だと、他にも余計な知識がありそうだ。
別の意味で頭が痛くなってきたが先ほど得た知識を頭の中で整理していると、自分が縮んだ理由と面白い知識があった。
とりあえず縮んだ原因は女神らしい。
この世界の人間の外見と比べて違和感がないように俺の外見を変えてくれたらしい。
サービスで女神が思う一番かっこいい外見にしたそうだ。
ちなみにこの世界の一般的な外見はヨーロッパ系らしい。
手元に鏡がないから自分の顔は見れないけど、一つ確かな事があるとするなら女神がシュタコンということだろう。
ついでに、先ほど見つけた面白い知識の方をためす。
それは魔法。
この世界には魔法が存在する。
とはいっても、今からためす魔法はたいしたものじゃない。
しかし、ゲーム好きな人ならこの魔法が一番嬉しいかもしれない。
その魔法は
「ステータス・オープン」
名前 未設定
称号
追放されし者( 効果 運上昇 魔力制御上昇 )
異界の女神の加護( 効果 ユニークスキル 系統魔術作成 取得 )
異世界人( 効果 ユニークスキル 取得)
神格を失いしもの( 効果 ユニークスキル ???? 取得)
スキル
系統魔術作成
装飾品創造
????
無手格闘術1
「やった、チートだ!」
主人公の外見は半神半人の少年だったころと同じです。
女神の遠回しな告白でした。