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プロローグ5


「と、いう経緯(いきさつ)であなたは神の仕事を奪ったのよ」


女神がスクリーンを消しながらこちらに振り返っていう。


神の仕事を奪ったという発言に対して俺が説明を求めたら、何処からともなくスクリーンを出して映画?を上映し始めたのだ。


俺は映画が始まる前に女神から貰ったポップコーンをポリポリ食べながら尋ねる。


「あの少年が俺なのか?」


「そう、正確には生まれ変わりだけどね」


俺は最初にこの空間に来た時こそ驚いていたが、映画が始まった辺りから肩の力が抜けて落ち着いていた。


コーラを一口飲んでから尋ねる。


「あれって仕事を奪ったことになるのか?」


我ながら落ち着きすぎかもしれない。


「どのような形にせよ、神の仕事の一部を人間がやっていた事に問題があるらしいわ」


「・・・・・・らしい? あんたの判断じゃないのか」


「ええ、上司の判断よ。私は反対したんだけどアイツがごり押ししたの」


なかなか神様の社会もめんどくさそうだ。


「何で今頃になって追放するんだよ」


「映画の少女が成長し女神になったことと、あなたの作った器が限界をむかえそうだからよ。」


器の限界という言葉に嫌な予感がする。


「・・・・・・ちなみに限界を超えたらどうなるんだ?」


女神は気まずそうに目をそらして何も言わない。


「怖っ、何か言ってくれよ」


「だ、大丈夫。 異世界にいったら関係無いから。器はあくまでもあなたの世界の障気を貯める物だから、気にしなくて良いのよ。」


冷や汗をかきながら説明する女神に問い詰めるのが怖くなり、少し強引に話を変える。


「そういえば、キャラ最初と違くね?」


少し前から気がついていたが、なぜか違和感がなくて流していた事を言う。


「あー、猫被っていたのよ。 神様は威厳を持たなくてはならないって決まりがあるの。 ただあんたと話してると懐かしくてついっ・・・・・?!」


女神がしまったという顔をしたのを疑問に思いつつ、言う。


「あーやっぱり、映画の少女って」


俺のセリフを女神が慌てて遮る。


「それ以上いわないで、あんたの異世界での生活を補助するために私が飲んだ条件の一つにひっかかるわ」


これ以上ないくらい真剣な顔に思わず頷く。


美人の鬼気迫る表情がこんなに怖いなんて始めて知った。


「ありがとう」


女神はニッコリと笑って礼を言う。


俺を補助するための条件なのに礼を言われて居心地が悪い。


微妙な顔をしている俺に気づかず、あるいは無視して女神は佇まいをただしてこちらをみる。


「これ以上話していると、余計な事を言ってしまいそうね。 悪いけど、もう異世界にいってもらうわ。 必要な情報はあなたの頭の中に入れておくから。 さようなら」


女神がしゃべり終わった瞬間、俺の足下に大きな穴が開き吸い込まれるように落ちていく。


「ごめんなさい、ごめんなさい。さようなら。 イズール」


最後にそんな女神の涙声が聞こえた気がした。

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