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プロローグ4
次でプロローグは終わりです。
次からは一週間に一度を目安に更新していきたいと思います。
欲望、怒り、悲しみ、それらの負の感情が生き物の体に収まりきらず、あふれ外に出ると障気になる。
障気が溜まると魔物になる。
故に障気を吸収し、浄化をする神がいた。
その神はまだ幼い少女の神だった。
しかし、少女は幼すぎた。
浄化の能力はまだ弱く、いつしか浄化しきれずその体に溜め込むようになった。
やがて少女神は障気に体の内側から侵され始めた。
障気により、邪神へとなりかけている少女神に気がついた幼なじみである半神半人の少年は彼女のために何かできないかと考えた。
人の血が混ざっているがゆえに神の中で迫害されていた少年に分け隔てなく接してくれた少女のために行動するのは当然の事だった。
少年は自らの弱い神格を変質させ、障気を貯める器となった。
少年はいつか少女が一人で障気を完全に浄化できるように成長するまでの器になった。
全ての神格を使ったため、ただの人間に身を堕としてしまったが少年は満足だった。
大切な少女を救う事ができたのだから。