プロローグ3
「起きなさい」
声をかけられて俺は意識を取り戻した。
目の前には、肉感的な美女がいる。
「はい?」
その美女に見覚えはない。
っていうか俺は火事でニート火災報知器って叫んで死んだはずじゃなかっただろうか?
しかし、今俺は辺り一面真っ白な場所にいる。
「ここは神界。読んで字のごとく神々の住む世界よ」
目の前の美女が俺の疑問に答えてくれた。
この展開だとあれじゃないか。
理不尽な理由で死んだ後に神界。
いわゆる、異世界転生もの。
俺の大好きなネット小説での鉄板な展開が今俺に!
徐々にテンションが上がってくる。 しかし次の美女の言葉で俺の思考が止まった。
「個体名高橋裕也。あなたをこの世界から追放します。」
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「聞いていますか? 返事ぐらいしなさい」
俺は我に返り疑問を捲し立てる。
「いやいやいや、世界追放ってなんだよ! 俺なんかしたか? 火事で死んだだけじゃん!」
美女は眉をひそめた。
「私は女神ですよ。言葉遣いに気を付けなさい」
えー、いや確かに女神に対する言葉遣いとしては悪かったかも知れないけど、そんなことより俺の疑問に答えてくれよ。
「あなたは遥か昔の前世で神の仕事を奪いました。これだけで十分厳罰の対象となります。」