プロローグ2
どうも、初めまして。高橋裕也といいます。
ちょっと暇があったらお聞きしたいことがあるんですが、いいですか?
―――世界ってこんなに殺意高かったっけ?
今日は朝からひどかった。
朝飯を食べてる時にインターホンが鳴り出てみると
「私を愛してくれないなら死んで!!」
数回しか会ったことのない女性にナイフを持って突っ込まれたり。
大学に行くために電車を待っていたら、電車が来た瞬間。
「積年の恨み――」
と叫んだ会ったことのないおっさんに突き落とされたりされたりした。
俺こんなに一日の内に殺されかけたこと無かったんだけど、もしかしてこれが普通なのかな?
今までがラッキーだっただけ?
うん、ごめん。実は分かってるんだよそんなことがないってくらい。
ちょっと現実逃避がしたかっただけ。
あ、ちなみに今はどういう状況かって?
トイレの中で頑張ってる間に建物自体が火事になりました(笑)。
火災報知機が壊れていたのか何の音も聞こえなかったんだよね。
トイレの個室から出たらあらびっくり、あたり一面火の海。
もう笑うしかなくね?
ていうかもっと頑張れよ、火災報知機。
火事に活躍しなかったらお前がいる意味ねーだろ。
「仕事のしない二―ト火災報知機めっ!!」
叫けんだせいで、肺の中の酸素が一気に持ってかれた。
意識が遠くなってくる。
このままではだめだと思うも体に力が入らない。
まさか、最後の言葉が二―ト火災報知機になるなんて……。
その思いを最後に高橋裕也は日本での生を終えた。