ギルド4
「試験って何をするんですか?」
俺の質問におっさんの野太い声が答える。
「模擬戦だ。ギルド職員監督の下になりたいランク以上の冒険者と模擬戦を行い、その結果で判断する」
「場所は何処でするんですか?」
「ギルドの奥にそれ用の広場があるんだ。試験がないときは練習場としても活用している」
「わかりました、ありがとうございます。あと、試験は今すぐ受けられるんでしょうか?」
「少し待ってろ。試験の監督は俺がするから、代わりの受付を休憩所から引っ張って来たり、練習場を開けてもらったりしなくちゃならん」
そう言っておっさんは受付の向こうにある扉から奥へ入っていった。
おそらく扉の奥がギルド職員用の施設があるところなのだろう。
おっさんがいなくなってからティエカさんが話しかけてきた。
「キミ、歳はいくつくらいなの?」
「十二歳になります。あの、試験官をやっていただきありがとうございます」
とりあえず見かけ相応の年齢を答えておく。
俺の礼に対して、ティエカさんは苦笑して答える。
「そんなにお礼しなくていいわよ。私だって説教から逃げられて良かっただから。けど、十二歳にしては固っ苦しい言葉遣いねー」
まぁ、中身二十歳だからな。
この見た目で言っても信じられないだろうけど。
「えぇと、ダメでしょうか」
「う〜ん、ダメってことはないけどあんまり冒険者にはいないタイプね。あんまり丁寧だと同業者になめられるかもしれないわよ? 無理をして丁寧にしてるんだったらやめた方がいいかも」
・・・・・・なるほど、そういうものか。
もし丁寧な口調で話しているせいでからまれたりしたらバカらしいし、やめるか。
相手を見て使い分けよう。
「わかった、忠告ありがとうな」
俺の口調がいきなり変わったことにティエカは一瞬、目を大きく開くがすぐに笑って続ける。
「まぁ、それもこれも試験に合格できたらだけどね。おねーさんを倒すつもりでかかってきなさい!
「了解。負けないからな?」
二人で話しているうちに、おっさんが戻ってきた。
「よし、待たせたな。じゃあ練習場へいくぞ」
おっさんの先導に着いていきながら、俺は模擬戦への緊張と異世界でのはじめての戦闘への期待に胸を高鳴らせていた。
学校の試験などで更新遅れました、ごめんなさい。
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