宿屋で
一万PV突破しました。
ありがとうございます。
コンコン、コンコン。
ノックのような音が聞こえる。
「イズールさん、朝ですよ。朝食ができたので降りてきてくださいね」
声の後に足音が遠ざかっていく。
はて?
イズールってどこかで聞いたことがあるような気がする。
・・・・・・って俺の名前じゃん!
昨日宿屋に泊まるのに名前が必要だったから、どこかで聞いたことのある気がするイズールって名乗ったんだった。
せっかく、この世界風の容姿なんだから名前もこの世界風にしないといけないしな。
ベッドからムクリと起き上がり、寝ぼけた頭をふりながら立ち上がる。
そうすると腹がグーと鳴り、昨日晩飯も食べずに眠ったことを思い出す。
せっかくの異世界での初食事を逃すなんて、俺は何をやっているんだ。
どんな食べ物があるのかと、楽しみにしていたのに!
今度こそ食事の機会を逃すまいと慌てて身支度を整えて宿屋の一階にある食堂へと降りていく。
食堂につき、空いている席に座るとほどなく昨日あった看板娘のキャンベルさんがやって来た。
「イズールさん起きたんですね、おはようございます。昨日晩御飯の時に降りてこなかったから心配していましたよ」
軽く、芸術品なんじゃないかと思わせる顔を向けてキャンベルさんがこちらを軽くにらむ。
「ごめんなさい。旅で疲れていて、すぐに眠っちゃいました」
少し客に干渉しすぎなんじゃないかなと思いつつ、俺が素直に謝るとキャンベルさんは顔を笑顔に戻した。
「もうっ。イズールさんはまだ小さいんですから、ちゃんとご飯を食べないとダメですよ」
今、ご飯持ってきますね〜といって厨房に戻っていくキャンベルちゃんを見送る。
どうも昨日キャンベルさんと話していてわかったことだが俺はかなり幼く見えているらしい。
だいたい十二歳ほどに見えるそうだ。
そのためキャンベルさん的に保護欲がそそられるのか、昨日も部屋につくまでに色々とかまってきた。
あんな美少女にかまわれるのは嬉しいんだけど、子供として扱われるから恥ずかしくてしょうがない。
「ご飯持ってきましたよ〜」
そういってキャンベルさんは俺の前にご飯を置く。
「朝御飯のメニューは固定なんですけど、サービスでデザートにフルーツをつけちゃいました」
耳元に小声でそう、囁いたキャンベルさんは他の仕事をするために厨房へと戻っていった。
耳元への刺激で俺の顔が赤くなっているのが自覚できる。
二十年間モテたことのなかった俺にこの刺激はキツイ!
ごまかすために本来の目的だった食事に意識を向ける。
肉と野菜とパン、それにスープとフルーツがある。
パン以外はどれも見たことのない材料で作られていて、好奇心がそそられる。
食事を意識したとたんに激しく空腹を主張しだしたお腹と好奇心に従って、貪るように食べ始める。
初めての食感の肉や奇妙な味のスープに満足した俺は部屋に戻り、ベッドの上に座っていた。
少し行儀が悪いが、椅子がないからしょうがない。
食事のあとはすぐに冒険者ギルドという、簡単に言えば仕事の斡旋所にいこうと考えていた。
冒険者ギルドで紹介される仕事の多くは戦う力を必要とするもので、戦ってこの世界を生きていきたい俺にはうってつけだ。
しかし、いざ行こうというときに少し不安がよぎった。
戦う手段がサモンビーストしかない俺で本当に大丈夫かと。
まぁ、マリッジブルーみたいなもんだ。
え?。
全然違う?
そんな間違いはさておき、ほかに戦う手段はないか確認するために俺はもう一度ステータスを開くことにした。
【ステータスオープン】
名前 イズール
称号 追放されし者( 効果 運上昇 魔力制御上昇 )
異界の女神の加護( 効果 ユニークスキル 系統魔術作成 取得 )
異世界人( 効果 ユニークスキル 取得)
神格を失いしもの( 効果 ユニークスキル ???? 取得)
スキル 系統魔術”負”Lv.1
装飾品創造
????
無手格闘術1
名乗ったせいか名前が登録されている。
イズールって名前は結構気に入っているし、別に良いか。
本文が中途半端なところで切れていてごめんなさい。
長くなりすぎそうなので一回切りました。
読んで頂きありがとうございます。
時間がありましたら感想評価などお願いします。