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プロローグ1
「私の意見は通りましたでしょうか?」
凛とした女性の声が響く。
「うむ、いいだろう」
重々しい別の声が答える。
女性は、ほっとしたのを顔に出さないよう細心の注意を払いながら言う。
「では今日中に終わらせます」
女性が立ち去ろうとすると、声が呼びとめる。
「待て、条件がある」
「何でしょうか?」
「決して感謝をしてはならない」
「……なぜ、仕事を奪われた私が人間ごときに感謝せねばならないのでしょうか」
「分かっているのならいい。我々神が人間に感謝をすることがあってはならない」
「ええ、もちろんです」
血を吐く思いで答え続けた女性―――女神は身をひるがえし、その場を去る。
女神の後ろを声が追いかける。
「では、高橋裕也の追放を実行しろ。欲望の女神ユリティナ」
他に連載しているものがあるのに見切り発車をしてみました。
両方とも少しずつ連載していきます。