第6話 ランキング下位に入った!
PVがついに100を超えた。
ゼロから三桁へ――それは小さな一歩かもしれないが、私にとっては革命だった。
画面の数字を何度も眺め、喜びを噛みしめながら「次はブックマークだ」と胸に誓った。
だが、その数日後。私は思いがけない光景を目にすることになる。
それは、ずっと夢見ていた「ランキング」という舞台に、自分の作品のタイトルが載っていた瞬間だった。
■ 日間ランキングを開く
その日もいつものように、寝る前に「日間ランキング」を覗いた。
ランキング上位の作品を読むのが習慣になっていたからだ。
流行の傾向を掴むため、毎晩欠かさずチェックしていた。
だが――その夜は違った。
スクロールしていくと、見覚えのあるタイトルが目に入った。
「あれ……?」
私は息を呑んだ。
そこにあったのは、私の作品名だった。
信じられなかった。
何度も瞬きをし、画面をこすり、更新ボタンを押す。
だが、消えない。
確かにそこに、私の名前と作品タイトルが並んでいた。
■ まさかの最下位枠
順位はギリギリだった。
100位のさらに下、「圏外と紙一重」の場所。
他人から見れば「ほとんど載っていない」に等しいかもしれない。
けれども、私にとっては違った。
「ランキングに載った」
その事実だけで胸が震えた。
ゼロだった。
何もなかった。
それが今、ランキングという公式の場に名前が刻まれている。
誰かに認められた気がして、涙がにじんだ。
■ 作者活動報告に書く勇気
「これは……報告してもいいのだろうか?」
ランキング入りは大事件だ。
でも、順位は下位。胸を張れるような数字ではない。
それでも、私は勇気を出して「作者活動報告」に書き込んだ。
「初めてランキングに載りました! 読んでくださった方、本当にありがとうございます!」
すると数時間後、感想欄に書き込みがあった。
「ランキング入りおめでとうございます!」
短い一文だったが、胸が熱くなった。
――あぁ、やっぱり報告してよかった。
自分だけの喜びにせず、読者と分かち合うことで、作品はより鮮やかに輝くのだと知った。
■ ランキングに載る意味
ランキングに載ると、効果はすぐに数字に現れた。
普段は1日50PV前後だったのが、その日は200を超えていた。
ユニークも跳ね上がり、新しい読者が増えていることがわかった。
つまり、ランキングは「新しい読者と出会う扉」なのだ。
ランキングに載らなければ、存在に気づかれないまま埋もれてしまう。
だが、一度でも名前が出れば、好奇心でクリックしてくれる人がいる。
私は心の底から思った。
「ランキングは、数字のためではなく、読者と出会うためにある」。
■ 焦りと期待
しかし、喜びと同時に焦りも生まれた。
「この順位を維持できるのか?」
「すぐに消えてしまうんじゃないか?」
ランキングは残酷だ。
一晩で載り、一晩で消える。
昨日まで名前があったのに、今日はどこにも見当たらない――そんなことは珍しくない。
私は、ランキングのページを開くたびに心臓が縮む思いだった。
載っていなければ落ち込み、載っていれば胸が弾む。
まるでランキングに心を支配されているかのようだった。
■ 小さな転機
だが、その浮き沈みを繰り返すうちに、気づいたことがある。
「載ることより、載り続けることの方が難しい」。
一度の偶然ではなく、安定して名前が残り続けるためには、更新頻度と読者の支持が不可欠だ。
だからこそ、多くの上位作家が毎日更新を続けているのだろう。
その気づきは、私の行動を大きく変えた。
「よし、しばらく毎日更新を続けよう」
私はそう決意した。
■ 今日のまとめ
ランキングは「新しい読者と出会うための扉」
一度でも載れば、数字が大きく動く
だが、本当に大事なのは「載り続けること」
毎日更新こそが、安定への第一歩
ゼロから始まった挑戦は、ついにランキングという舞台に辿り着いた。
まだ最下位。まだ名前を知られるほどではない。
それでも、確かな一歩だ。
私はスマホを握りしめながら心に誓った。
「ここから、もっと上へ行く」。
そして――次の目標は「仲間との出会い」だった。