表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/17

第6話 ランキング下位に入った!

 PVがついに100を超えた。

 ゼロから三桁へ――それは小さな一歩かもしれないが、私にとっては革命だった。

 画面の数字を何度も眺め、喜びを噛みしめながら「次はブックマークだ」と胸に誓った。


 だが、その数日後。私は思いがけない光景を目にすることになる。

 それは、ずっと夢見ていた「ランキング」という舞台に、自分の作品のタイトルが載っていた瞬間だった。


■ 日間ランキングを開く


 その日もいつものように、寝る前に「日間ランキング」を覗いた。

 ランキング上位の作品を読むのが習慣になっていたからだ。

 流行の傾向を掴むため、毎晩欠かさずチェックしていた。


 だが――その夜は違った。


 スクロールしていくと、見覚えのあるタイトルが目に入った。

 「あれ……?」

 私は息を呑んだ。


 そこにあったのは、私の作品名だった。


 信じられなかった。

 何度も瞬きをし、画面をこすり、更新ボタンを押す。

 だが、消えない。

 確かにそこに、私の名前と作品タイトルが並んでいた。


■ まさかの最下位枠


 順位はギリギリだった。

 100位のさらに下、「圏外と紙一重」の場所。

 他人から見れば「ほとんど載っていない」に等しいかもしれない。


 けれども、私にとっては違った。


 「ランキングに載った」

 その事実だけで胸が震えた。


 ゼロだった。

 何もなかった。

 それが今、ランキングという公式の場に名前が刻まれている。

 誰かに認められた気がして、涙がにじんだ。


■ 作者活動報告に書く勇気


 「これは……報告してもいいのだろうか?」


 ランキング入りは大事件だ。

 でも、順位は下位。胸を張れるような数字ではない。

 それでも、私は勇気を出して「作者活動報告」に書き込んだ。


 「初めてランキングに載りました! 読んでくださった方、本当にありがとうございます!」


 すると数時間後、感想欄に書き込みがあった。

 「ランキング入りおめでとうございます!」

 短い一文だったが、胸が熱くなった。


 ――あぁ、やっぱり報告してよかった。

 自分だけの喜びにせず、読者と分かち合うことで、作品はより鮮やかに輝くのだと知った。


■ ランキングに載る意味


 ランキングに載ると、効果はすぐに数字に現れた。

 普段は1日50PV前後だったのが、その日は200を超えていた。

 ユニークも跳ね上がり、新しい読者が増えていることがわかった。


 つまり、ランキングは「新しい読者と出会う扉」なのだ。

 ランキングに載らなければ、存在に気づかれないまま埋もれてしまう。

 だが、一度でも名前が出れば、好奇心でクリックしてくれる人がいる。


 私は心の底から思った。

 「ランキングは、数字のためではなく、読者と出会うためにある」。


■ 焦りと期待


 しかし、喜びと同時に焦りも生まれた。

 「この順位を維持できるのか?」

 「すぐに消えてしまうんじゃないか?」


 ランキングは残酷だ。

 一晩で載り、一晩で消える。

 昨日まで名前があったのに、今日はどこにも見当たらない――そんなことは珍しくない。


 私は、ランキングのページを開くたびに心臓が縮む思いだった。

 載っていなければ落ち込み、載っていれば胸が弾む。

 まるでランキングに心を支配されているかのようだった。


■ 小さな転機


 だが、その浮き沈みを繰り返すうちに、気づいたことがある。


 「載ることより、載り続けることの方が難しい」。


 一度の偶然ではなく、安定して名前が残り続けるためには、更新頻度と読者の支持が不可欠だ。

 だからこそ、多くの上位作家が毎日更新を続けているのだろう。


 その気づきは、私の行動を大きく変えた。

 「よし、しばらく毎日更新を続けよう」

 私はそう決意した。


■ 今日のまとめ


ランキングは「新しい読者と出会うための扉」


一度でも載れば、数字が大きく動く


だが、本当に大事なのは「載り続けること」


毎日更新こそが、安定への第一歩


 ゼロから始まった挑戦は、ついにランキングという舞台に辿り着いた。

 まだ最下位。まだ名前を知られるほどではない。

 それでも、確かな一歩だ。


 私はスマホを握りしめながら心に誓った。

 「ここから、もっと上へ行く」。


 そして――次の目標は「仲間との出会い」だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ