第14話 1位目前の緊張
ランキング10位以内に初めて名前が載った日の興奮は、忘れられない。
だが、その喜びは長く続かなかった。
翌日には圏外に押し出され、再び順位は上がったり下がったり。
「一瞬の栄光」を知ったがゆえに、私は余計にランキングに囚われるようになった。
そして――ついに、その日は訪れた。
「2位」。
目の前には、あと一歩で掴める「1位」の座があった。
■ 画面を開く手の震え
ある朝、私はいつものように管理ページを開いた。
ランキング欄を見て、心臓が飛び出しそうになった。
――2位。
信じられなかった。
夢のように遠かった1位のすぐ下に、自分の名前がある。
私は手を震わせながらスマホを持ち、何度も画面を更新した。
「間違いじゃない……本当に2位だ」
胸は高鳴り、同時に重圧がのしかかってきた。
「ここまで来たら1位を取りたい。でも……取れるのか?」
■ 作者あるある:そわそわする一日
その日は仕事にならなかった。
パソコンを開いても文字が頭に入らず、会話も上の空。
気づけばスマホを開き、ランキングを確認していた。
――なろう作家あるあるその⑥
「順位が気になりすぎて日常生活に支障をきたす」。
メールチェックのフリをしてランキングを見る。
昼休みもランキングを見る。
帰宅してすぐランキングを見る。
数字に人生を支配されている自分に苦笑しつつ、目はどうしても離せなかった。
■ 読者の反応が増える
2位に上がった瞬間、読者の反応も変わった。
「ランキング見て来ました!」という感想が増え、ブックマーク数も一気に跳ね上がる。
「1位目指して頑張ってください!」という応援コメントまで届いた。
嬉しかった。だが同時に、心臓がさらに締め付けられた。
「もしこの期待に応えられなかったら?」
「明日、順位が下がっていたら?」
――なろう作家あるあるその⑦
「応援コメントが嬉しいのに、プレッシャーで眠れなくなる」。
■ 投稿時間とのにらめっこ
1位を狙うには、更新タイミングも重要だ。
私は集計の時間を調べ、深夜に投稿するか、朝に投稿するかで悩んだ。
「深夜組に読んでもらえば初速が伸びる。でも朝なら新規の目に触れるかも……」
結局、両方試してみた。
夜に短編的な更新をし、朝に本編を更新する。
ランキングを意識しすぎて、更新スケジュールが生活を圧迫していく。
――なろう作家あるあるその⑧
「生活リズムがランキングに合わせて崩壊する」。
■ 眠れぬ夜
2位に浮上してからの数日、私はほとんど眠れなかった。
布団に入っても、頭の中で数字がちらつく。
「明日こそ1位かもしれない」
「でも落ちるかもしれない」
スマホを枕元に置き、夜中に何度も画面を確認した。
数字は変わらないのに、それでも確認せずにはいられない。
朝が来るのが怖くもあり、待ち遠しくもあった。
■ 今日のまとめ
ランキング2位に上がった瞬間、嬉しさと重圧が同時に襲う
順位が気になりすぎて生活に支障が出る
読者の応援コメントは嬉しいが、プレッシャーにもなる
更新時間を工夫しすぎて生活リズムが崩れる
眠れぬ夜を越えた先に、栄光か失墜かが待っている
私は深く息を吸い、次の更新原稿を見直した。
「ここで筆を止めたら、もう二度とチャンスは来ない」
――明日、私は1位を掴むのか、それとも落ちてしまうのか。
画面の向こうに広がる未来を想像しながら、私はキーボードを叩き続けた。