第12話 ブックマーク100突破!
批判コメントに心を揺さぶられながらも、私は執筆を続けた。
「批判を恐れるより、書かないことを恐れろ」――そう自分に言い聞かせ、日々の更新を積み重ねた。
PVは少しずつ増え、感想も時折届くようになった。
だが、私がずっと焦がれていた数字があった。
ブックマーク100。
PVは流動的だ。
けれど、ブックマークは「この作品を読み続けたい」という読者の確かな意思表示だ。
つまり、ブクマ数こそが「信頼の証」であり、作者にとって最大の勲章だった。
■ ブクマの重み
最初にブックマークがついた日の感動を、私は今でも覚えている。
ゼロから「1」になったあの日。
たった一人が「続きを読みたい」と思ってくれたことが、どれほど心を救ったか。
それが「10」になり、「30」になり――やがて「50」に届いたとき、私は大きな希望を感じた。
「100なんて夢物語じゃないかもしれない」
だが、そこからが長かった。
50から100へ――その道のりは、ゼロから50に至るまでよりも、ずっと険しかった。
■ ブクマは簡単につかない
PVが増えても、ブックマークはなかなか伸びない。
1000PVに対してブクマが1増えるかどうか、そんな感覚だった。
「読んではいるけど、続きを読みたいと思われていないのか」
「自分の物語には魅力が足りないのか」
数字に一喜一憂する日々が続いた。
PVが2000を超えても、ブクマはまだ70。
「もう限界かもしれない」と思った夜もあった。
だが、そのとき仲間が教えてくれた。
「ブクマは“信頼残高”みたいなものですよ。すぐには増えません。でも、一度ついたら強いんです」
その言葉を信じ、私は筆を止めなかった。
■ 節目の瞬間
ある朝、私はいつものように管理画面を開いた。
眠気まなこで数字を確認し、思わず息を呑んだ。
――ブックマーク「99」。
ついに二桁の頂点まで来ていた。
あと一つ。たった一人。
その一人が現れるだけで、夢にまで見た「100」に到達するのだ。
心臓が早鐘を打ち、スマホを握る手が汗ばんだ。
「今日、突破するかもしれない」
仕事中も、食事中も、何度も何度も更新ボタンを押した。
そして――昼過ぎ。
数字は「100」に変わっていた。
■ 涙のブックマーク100
「……っ!」
声にならない声が漏れた。
目頭が熱くなり、涙があふれた。
誰もいない部屋で、私はスマホを握りしめ、何度も画面を見返した。
ブックマーク「100」。
それは単なる数字ではなかった。
ゼロから始まり、孤独に悩み、感想に救われ、批判に打ちのめされながら、それでも続けてきた日々。
その積み重ねの先に、ようやく辿り着いた「信頼の証」だった。
■ 仲間と分かち合う
私はすぐにSNSに書き込んだ。
「ついにブックマーク100に到達しました! 応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!」
すると、仲間たちから次々と祝福のリプライが届いた。
「おめでとうございます!」
「努力が実りましたね!」
「次は200目指しましょう!」
その言葉の一つひとつが胸に染みた。
孤独に戦ってきた日々を思い出し、今こうして誰かと喜びを分かち合えることに、深い感謝を覚えた。
■ 100は通過点
ブックマーク100は、確かに大きな節目だ。
だが、仲間の言葉を受けて、私は気づいた。
「100はゴールではなく通過点にすぎない」。
この先には200、500、1000という数字が待っている。
だが、数字の大きさよりも大切なのは「読者との繋がり」だ。
一人ひとりのブックマークが積み重なって、作品は強く育っていく。
100という節目は、そのことを改めて教えてくれたのだ。
■ 今日のまとめ
ブクマ100は、ゼロから積み上げてきた努力の結晶
PVが増えても、ブクマはすぐには増えない
だからこそ、一つひとつが重い「信頼の証」になる
100はゴールではなく、次の挑戦への通過点
画面に映る「100」という数字を見ながら、私は深く息を吸った。
「ここから、もっと上へ行く」
そして、新たな挑戦が始まる。
――ランキング10位以内。