表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/17

第12話 ブックマーク100突破!

 批判コメントに心を揺さぶられながらも、私は執筆を続けた。

 「批判を恐れるより、書かないことを恐れろ」――そう自分に言い聞かせ、日々の更新を積み重ねた。

 PVは少しずつ増え、感想も時折届くようになった。

 だが、私がずっと焦がれていた数字があった。


 ブックマーク100。


 PVは流動的だ。

 けれど、ブックマークは「この作品を読み続けたい」という読者の確かな意思表示だ。

 つまり、ブクマ数こそが「信頼の証」であり、作者にとって最大の勲章だった。


■ ブクマの重み


 最初にブックマークがついた日の感動を、私は今でも覚えている。

 ゼロから「1」になったあの日。

 たった一人が「続きを読みたい」と思ってくれたことが、どれほど心を救ったか。


 それが「10」になり、「30」になり――やがて「50」に届いたとき、私は大きな希望を感じた。

 「100なんて夢物語じゃないかもしれない」


 だが、そこからが長かった。

 50から100へ――その道のりは、ゼロから50に至るまでよりも、ずっと険しかった。


■ ブクマは簡単につかない


 PVが増えても、ブックマークはなかなか伸びない。

 1000PVに対してブクマが1増えるかどうか、そんな感覚だった。


 「読んではいるけど、続きを読みたいと思われていないのか」

 「自分の物語には魅力が足りないのか」


 数字に一喜一憂する日々が続いた。

 PVが2000を超えても、ブクマはまだ70。

 「もう限界かもしれない」と思った夜もあった。


 だが、そのとき仲間が教えてくれた。

 「ブクマは“信頼残高”みたいなものですよ。すぐには増えません。でも、一度ついたら強いんです」


 その言葉を信じ、私は筆を止めなかった。


■ 節目の瞬間


 ある朝、私はいつものように管理画面を開いた。

 眠気まなこで数字を確認し、思わず息を呑んだ。


 ――ブックマーク「99」。


 ついに二桁の頂点まで来ていた。

 あと一つ。たった一人。

 その一人が現れるだけで、夢にまで見た「100」に到達するのだ。


 心臓が早鐘を打ち、スマホを握る手が汗ばんだ。

 「今日、突破するかもしれない」

 仕事中も、食事中も、何度も何度も更新ボタンを押した。


 そして――昼過ぎ。


 数字は「100」に変わっていた。


■ 涙のブックマーク100


 「……っ!」


 声にならない声が漏れた。

 目頭が熱くなり、涙があふれた。

 誰もいない部屋で、私はスマホを握りしめ、何度も画面を見返した。


 ブックマーク「100」。

 それは単なる数字ではなかった。


 ゼロから始まり、孤独に悩み、感想に救われ、批判に打ちのめされながら、それでも続けてきた日々。

 その積み重ねの先に、ようやく辿り着いた「信頼の証」だった。


■ 仲間と分かち合う


 私はすぐにSNSに書き込んだ。

 「ついにブックマーク100に到達しました! 応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます!」


 すると、仲間たちから次々と祝福のリプライが届いた。


 「おめでとうございます!」

 「努力が実りましたね!」

 「次は200目指しましょう!」


 その言葉の一つひとつが胸に染みた。

 孤独に戦ってきた日々を思い出し、今こうして誰かと喜びを分かち合えることに、深い感謝を覚えた。


■ 100は通過点


 ブックマーク100は、確かに大きな節目だ。

 だが、仲間の言葉を受けて、私は気づいた。


 「100はゴールではなく通過点にすぎない」。


 この先には200、500、1000という数字が待っている。

 だが、数字の大きさよりも大切なのは「読者との繋がり」だ。

 一人ひとりのブックマークが積み重なって、作品は強く育っていく。


 100という節目は、そのことを改めて教えてくれたのだ。


■ 今日のまとめ


ブクマ100は、ゼロから積み上げてきた努力の結晶


PVが増えても、ブクマはすぐには増えない


だからこそ、一つひとつが重い「信頼の証」になる


100はゴールではなく、次の挑戦への通過点


 画面に映る「100」という数字を見ながら、私は深く息を吸った。

 「ここから、もっと上へ行く」


 そして、新たな挑戦が始まる。

 ――ランキング10位以内。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ