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第7話「迷いの森:監視結晶の回収任務」

アリアという謎の少女を連れて、俺たちは迷いの森の奥へと進んでいった。ここからが今回の本当の任務──監視結晶の回収ポイントへ向かうルートだ。


深い森は昼でも薄暗く、霧が漂っている。湿った空気が重く、枝葉の隙間から光が細く差し込んでいた。


「まさに“迷いの森”って感じだな……」


蒼真が険しい表情で周囲を警戒している。


「この雰囲気……なんだか普通のゲームっぽくない」


美月もどこか不安げだ。アリアは黙ったまま、俺の後ろにぴったりとくっついて歩いている。


「……! 動くな」


俺は手を挙げて仲間に合図した。耳を澄ますと──葉の揺れる音とは違う、不自然な音が混じっていた。


──カサ…カササ……カッ。


次の瞬間、地面が盛り上がり、木の根が蠢くように変形した。現れたのは《ルートゴーレム》──巨大な樹木の魔物だった。


「今度は樹系か!」


全身を木の蔓で覆い、巨体を揺らして迫ってくる。ゴーレムは鋭い枝のような腕を振りかぶった。


「プロテクション!」


美月が素早くバフを展開するが、相手の攻撃範囲が広い。俺はすかさず前へ出た。


「鉄壁の構え!」


ぶん、と空を裂く音。巨大な枝の斬撃を剣で受け止める。だが、樹木特有のしなりと重みで押し込まれる。


(くそっ……これは一発が重い!)


「支えるぞ!連撃拳・打ち下ろし!」


蒼真が正面の蔓を狙って跳び上がる。いつもの多段打撃ではなく、今度は上段からの垂直打撃。力強い衝撃が蔓を巻き上げるように打ち払う。


「新技か?」


「動きを止めたら、弱点を狙ってくれ!」


蔓が乱れ、ゴーレムの本体にある中心の赤い核が露出した。


「いける……ヘヴィスラッシュ!!」


俺は溜めた全力の斬撃を核へ叩き込んだ。

ギギギギ──ン!

硬質な破砕音。赤い核が砕け、ゴーレムは全身の枝を崩壊させて倒れた。


「ふぅ……変則的な奴だったな」


「晴翔くんが核に当ててくれて助かった」


「オレも新しい打ち下ろし拳、結構いい感じだったろ?」


蒼真が満足げに拳を握る。彼のスキルレベルは着実に伸びている。

今までの横連撃とは違い、相手の動きに応じた重打スキルを織り交ぜ始めたのだ。


「すごかった……」


アリアもぽつりと呟いた。


こうして慎重に進んだ俺たちは、ついに目的の結晶ポイントに辿り着いた。

霧の薄れた小広場の中央に、水晶のように光る《監視結晶》が浮かんでいた。


「これか──」


博士の依頼通り、回収を始めようとしたその時──


──ギィ…ギギギ……ッ!


周囲の木々が振動し、結晶周囲の地面が裂けた。現れたのは、まるで鎧を纏った昆虫のようなモンスター。


《スティールビートル・エリート》


「まさかの連戦かよ!」


「これは防御特化型のボスかも……!」


鋼の甲殻を持つ巨大甲虫は、じりじりとこちらに迫ってくる。背中の羽根がカチカチと硬質音を鳴らしていた。


新たな強敵を前に、俺たちは再び構え直した。

これまでと違う、硬い敵──

ここからまた新たな戦闘スタイルが試される

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