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第18話「決死の反撃」

美月が倒れて動けなくなったことで、戦況は一気に厳しくなった。

俺たちは重苦しい闇の圧力に押されながらも、決して立ち止まらない。


 


「行くぞ、蒼真!」


 


「おう!」


 


蒼真は軽やかな足捌きで左右に揺れながら接近する。

俺は真正面から、大剣を肩に担ぎ直して前進した。


 


 



 


──《深淵の魔公・ヴァルゼル》は、再び闇の槍を生成し始める。


 


「──だが、その技はもう二度と撃たせない!」


 


俺は大剣を逆手に持ち替え、踏み込んだ。


 


「《ガードブロウ》!!」


 


重い衝撃波が魔公の身体を揺さぶり、生成途中だった闇槍の魔法陣がわずかに歪む。


 


「ぐ……まだだ……!」


 


ヴァルゼルが唸り声を上げた瞬間──


 


「今だ、蒼真!」


 


「──《瞬掌打》!」


 


蒼真の高速連撃が正面から叩き込まれる。

拳と甲冑がぶつかる度、火花と瘴気が弾けた。


 


「畳みかける!」


 


蒼真は新たに取得したスキルを放った。


 


──《飛翔崩拳》


 


【性能】


前方ダッシュの勢いを乗せた拳撃


着弾時にノックバック効果


高速移動からの奇襲向き


 


勢いよく踏み込み、拳がヴァルゼルの胸部に突き刺さる。

巨体がわずかに後ろへ弾かれた。


 


「くぅ……!」


 


「ここだ!」


 


俺はその隙を逃さず、《鋼壁衝撃》を連続で叩き込む。

溜めの衝撃波が再び甲冑の装甲をひび割らせた。


 


だが──ヴァルゼルは一瞬で体勢を立て直す。


 


「粘るな……だが、終わりだ」


 


魔公の触手のような黒翼が広がり、瘴気が渦巻き始めた。


 


 



 


「──《深淵喰らい》」


 


黒翼が渦となって周囲を一瞬で包み込む。

瘴気の暴風が身体にまとわりつき、皮膚が焼けるような痛みが走る!


 


「くそっ──ッ!」


 


蒼真も口元を覆い、必死にその中を耐えている。


 


「晴翔くん……蒼真くん……」


 


かすかな声が聞こえた。

倒れていたはずの美月が、辛うじて意識を取り戻していた。


 


「無理しないで美月──!」


 


「……でも……支援だけは……まだできるから……」


 


美月の手が、震えながらも僅かに杖を握る。

詠唱がかすれた声で始まる。


 


「──《ブレイブブースト》!」


 


僅かながら筋力強化が再び俺たちに流れ込んだ。

身体が軽くなり、筋肉に力が戻る感覚がする。


 


「よし……これで──」


 


「最後の決着をつける!!」


 


 



 


蒼真が先行して突撃する。

足元から《飛翔崩拳》を繋げると、ヴァルゼルの腹部が抉れ、黒煙が噴き出した。


 


その一瞬の隙に、俺は力を全開まで高める。


 


「──《ヘヴィスマッシュ》!!」


 


最大溜めの一撃──

肩越しまで引き絞られた大剣が、唸りを上げて振り抜かれる。

刃がヴァルゼルの胸甲を貫き、その巨体を地面ごと押し潰した!


 


「……がああああ……ッ!!」


 


轟音とともに、甲冑が砕け散る。

瘴気が急速に薄まり、玉座の間に静寂が戻った──


 


──《ボス:深淵の魔公・ヴァルゼル討伐完了》


 


 



 


俺たちはその場で膝をついた。

全身が重く、腕は震えている。


 


「晴翔……くん……」


 


美月の声がかすかに響く。


 


「美月……大丈夫だ。終わった」


 


セリスがすぐに駆け寄り、治療用の特殊ポーションを注入する。

青白い光が美月の身体を包み、呼吸が安定していった。


 


「深淵呪毒は除去された。命に別状はない」


 


「……良かった……」


 


俺も蒼真も、同時に深く息を吐いた。


 


 



 


そして、討伐報酬が表示された。


 


──《ドロップ:漆黒の深淵兜》


 


【性能】


物理防御+高


闇属性耐性上昇


一定確率で闇魔法の威力軽減


 


 


「よし……今回は俺が装備するな。これでさらに耐久力が上がる」


 


俺は重い兜を装着し、視界が僅かに狭くなるが、全身が闇の重装騎士のような姿になった。


 


「似合ってるぞ、晴翔!」


 


蒼真が笑う。

美月も弱々しく微笑みながら頷いた。


 


「無事で……よかった……」

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