18話:誘い☆
多少……で済ませて良いモノかは分かりませんが、ミスはあったものの、この私宮下マナは堂本ネオウさんを遊びに連れ出す事に成功!!
ノープランでしたが、ゲームセンターに立ち寄った所、2人でとても楽しめました。
2時間以上は遊んでいたでしょうか?
遊び疲れてしまい、今はベンチで座って休んでいます。
「はいマナさん、缶コーヒー、本当にブラックで良かったの?」
「ありがとうございます!! 飲んだこと無かったですが、ネオウさんが発明のお供にしてると聞いて気になっていたんですよね」
なんと、今日のお礼にと缶コーヒーを買って来てくれたネオウさん。
この優しさに感謝しながら、開けて、口を付けようとした瞬間、ドタドタと大げさな足音と共に、誰かが向かってくるのを感じました。
明らかに、私たちに用事がある。
そんな気がします。
「堂本ネオウ!!」
爆音の主は、リンちゃんでした。
学校では「廊下を走るな!!」と、あちこちで言っているので、人が多い場所で走ってる姿を見ると、違和感があります。
別に、ここで走ってはいけないという、決まりがある訳ではないんですけどね。
「リン生徒会長……別にオレ、校則違反してないよ?」
「分かっている、ってお前は私を校則違反を取り締まりに来る概念か何かとしか思ってないのか?」
少なくとも、ネオウさんにとっては近しい気がしますが、口に出したら怒られる気がするので我慢です。
「そんな事は……じゃあ何か他に用事が?」
「ネオウ、お前の夢についてだ」
「それは……もういいんだ」
「ちょっと、リンちゃん!!
少し忘れかけて、ようやく元気になったのに!!」
「マナ!! 今は黙って私の話を聞いてくれ!!」
リンちゃんの切羽詰まった感じ……いつもの校則違反の時とは違います。
夢を諦めるのも選択肢だけど元気は別と話したリンちゃんが、掘り返すなんて……
そう言えば調べたい事があると言っていましたが。
「堂本ネオウ、1つ確認したいんだが、お前が夢を諦めた理由。
それは別に、異世界やファンタジーに飽きたり、嫌いになった訳ではないな!?」
「なに……その質問?」
「いいから答えろ!! お前は異世界が嫌いなのいか!?」
リンちゃんの質問の意図は分かりません。
しかしネオウさんの表情に、一瞬だけキラキラが戻ったように見えました。
「嫌いになる訳ないじゃないか!!
せっかく魔力が現実で使われるようになったのに……
むしろファンタジーは、失われ規制されている!!
そんなの……今でも悲しいと思ってる!!
でも……だけど……」
ネオウさんから溢れ出した本音。
少し涙が溢れているようですが、私とリンちゃんは、目を合わせ笑顔になってしまいました。
そうだ……どんな理由だろうと、好きなことを諦めるのが、辛くないはずがありません。
「もういい、そこが聞ければ十分だ。
前提条件として、戦えないモノにとって危機でしかない。
だから、この世界をファンタジーにするのを諦める。
そういう事だな?」
ネオウさんはゆっくりと首を縦に振りました。
「分かっていた事だが、お前の口から直接聞きたかった。
結論から言うと、お前の夢は諦める必要は無い。
なぜなら、お前が諦めた所で、脅威は去らないからだ。
むしろ、開発した魔法は、脅威へ立ち向かう武器になる」
私はリンちゃんの話が飲み込めませんでした。
ネオウさんの表情を横目で確認してみたのですが、彼も分かっていないようです。
「リンちゃん、落ち着いてください。
えっと、調べ物をすると言っていましたよね?
それと何か関係があるんですか?」
「すまない……私も混乱してしまって。
聖歌がいる地点で異世界の存在は受け入れるしかない。
だがこれは、本来地球には影響のない話だ。
宇宙人が、遠く離れた星で暮らしていようと、影響はないからな。
おっと……どうも情報がまとまらない。
1番大事な話しのポイントは……」
リンちゃんが大きく深呼吸して顎に手を当てています。
生徒会の仕事の時とか、考え込んでいるときに、しているのを見たことがあります。
「そうだ!! 我々の利用している魔法石!!
これは、元々地球に存在しない物質だ。
500年前、北風エネルギーという、マキシム社の先駆けとなった企業が、ある年に急に発見・開発したものだ。
よく考えれば、発掘どころか加工も日本でしか行えないというのが変な話しだ」
「なんで地球に存在しないなんて分かるのさ?」
ネオウさんが、興味を持ったようです。
心なしか表情が明るくなっているように見えます。
「現在の魔法石の原型が、かつて異世界からの脅威と闘う為に開発されたモノだからだ」
「異世界からの脅威、それが500年も昔に? そんな事ある訳……」
「詳しい記録はない、だが少なくとも当初の目的が、そうであった事。
今の魔法石の原石は、その戦いの残留物質である事まではついつめた!!」
リンちゃんはスマホから、スクショしたような画面を見せて来ました。
私では理解できませんが、恐らく今言ったことが書かれているのでしょう。
「リン生徒会長……」
「どうだ? 私でも一応の理解はできた資料。
ファンタジー世界とやらについて研究していたお前であれば、理解はたやすいだろう?」
「これ……マキシム社のトップシークレットだよね?
どうやって手に入れたのさ?」
ネオウさんからの質問に、リンちゃんが露骨に慌てて顔が真っ青になっています。
「ゴホン……とにかくだ!! 現に聖歌という異世界人が地球に来ている。
彼女は、特に悪いことはしていないので、無害だとして~」
「私の聖剣を盗んだのは悪い事だと思います」
「マナ……話しがややこしくなるから、黙っててくれ」
「はい……」
「そもそもマナさんの聖剣って何なのさ?」
「堂本ネオウ!!」
「あっゴメン、今はリン生徒会長の話を聞く時間だね」
何というか……事実ではありますが、私が話しを理解出来てない子みたいに扱われるのが悔しくてならないのですが……
「まぁマナの聖剣も、異世界のエネルギーは秘めている。
我々が知らぬ間に、異世界の足音は確実に近づいている訳だ」
「異世界って足音あるんですか?」
「マナ!!」
はい、私は喋らない方が良さそうですね……
「極めつけは、先のスズメの使った『召喚魔法』だ。
召喚とは、呼び出すとか、そういう意味だ。
これを見てくれ」
リンちゃんは、またスマホの画面を見せて来ました。
これは……スズメさんが召喚魔法をつかって、ダーク・フェニックスを呼び出した瞬間ですね。
「凄い!! こんなのよく撮影してたね」
「まぁな、見て欲しいのは、ダーク・フェニックスを呼び出した際の模様の奥だ」
「模様って、魔方陣のこと?」
魔方陣、古ラノベの授業で聞いた事があります。
魔法の使い方の一種……程度の記憶しかありませんが。
「これって!!」
ネオウさんが、何かに気がついたようです。
というか……これだけ注目して見れば、私だって気がつきます。
「魔方陣の奥……教科書で見たヨーロッパなどの町並みに似ているように見えますが……」
「マナは黙って……って合ってるな」
「しかし、なんでスズメさんの魔方陣の中にヨーロッパが?」
「ヨーロッパじゃないよ、コレは異世界だ」
「異世界……? これがですか?」
「古ラノベでも厳しく検閲してて、僕が持ってるのも、ほとんどが黒く塗りつぶされているけど、異世界の町並みは中世ヨーロッパに近いと言われているんだ」
「それが何故、スズメさん魔方陣の中に……」
「ダーク・フェニックスは、マキシム社が生み出したんじゃない。
スズメさんが開発したのは、異世界の魔物を呼び出し、使役する魔法。
そう言いたいんだね? リン生徒会長」
リンちゃんは静かに頷きました。
「雑賀スズメは、ネオウの魔法の杖を模倣し発明した。
だが、呼び出したダーク・フェニックスは、元々研究していた異世界から呼び出した。
堂本ネオウに、世界をファンタジーにする危険性を説いた彼女が、あんなものを開発した。科学者の好奇心だけであれば良いが……
異世界からの脅威に備えての発明だとすれば?」
リンちゃんの言葉には、確信している様な重みがありました。
私とネオウさんは、思わず息を飲んだのです。
ここまで読んで下さりありがとうございます。
ストーリは一生懸命練っているので少しでも続きが気になったらブクマ登録して頂けると幸いです。
下の星から評価も、入れてくださるとモチベが最高潮になるとか。
他の連載作品も見て頂けると、良い事があるらしい。




