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クラン 魔を狩りし者へようこそ ~深淵を目指す英雄見習いコンビ~  作者: 鎖月 弥生
第0章 選定される英雄見習い

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第3層目

本話は同時投稿分の3話目になります。

まだ第1層目・第2層目をお読みでなければ、先にそちらからお読みいただけると嬉しいです。

 305会議室の前で立ち止まり、軽くノックする。


「どうぞ」


 中から返ってきた落ち着いた声を合図に、俺たちは同時に扉を開けた。


「「失礼します」」


 室内には職員さんと、もう一人。

 ただそこに座っているだけなのに、室内の空気を一段重くさせる男性がいた。


「朧月さん、鳴無さんですね。こちらへどうぞ」


 男性の方を気にしつつも促されるまま席につくと、職員さんが淡々と書類に目を落とす。


「お二人の推薦状、確認いたしました」

「真偽測定の結果、問題なし。本物と確認できましたのでお返しいたします」


 推薦状が返却される。


「では既にご存じの内容も含まれますが、初心者講習として改めて説明を行います」


「「よろしくお願いします」」


 資料を開き、職員さんの説明が始まった。


 それにしても。どうして講習担当って、話が長くなりがちなんだろうか。

 気づけばもう一時間近く経っている。


 相棒は性格的に、たぶん一言一句聞き逃していない。

 だから俺が仮に聞き漏らしていても、後でジュースを奢って聞けばいいだろう。


 俺はというと、正直、集中力が限界だった。


 今はDEAの歴史の話だ。

 ここまで来れば、大事なところは終わっている。


 ――よし、寝落ち防止で頭の中で整理しとくか。


 DEAは、人魔震災から一年後。

 混乱が落ち着き始めた頃に、当時の探索者たちが中心となって結成された。


 中心人物は、【叡智アカシックレコード】の”ソウル”を持つ暁秀久あかつきひでひさ

 政治とは距離を置いているが、国もダンジョン対策として出資、協力をしている。


 その関係で、DEA職員は国家公務員扱い。

 引退後の冒険者の受け皿になっている、という話も納得だ。


 冒険者ランクはGからSまで。

 俺たちのFランクは、フルパーティでGランクダンジョンを安定して攻略できる実力が基準。


 一定数の同ランクダンジョンを攻略することで、昇格試験を受けられる。


 ダンジョンは、人魔震災以降に現れた漆黒の箱。

 中はほぼ異世界。最下層には必ず主がいる。


 ランクや名称は、鑑定系スキルを箱に使えば分かる。


 ……こんなところか。


 スキルやソウルの細かい話は、今はいい。


「――以上で説明を終わります。何か質問はございますか?」


 危ねぇ。

 気づいたら説明が終わってた。


「「大丈夫です」」


「承知しました。では続いて、実技テストを行います」


「実技テストですか?」


 思わず声が出る。

 冒険者登録で実技テストなんて話、聞いたことがない。


「はい。推薦状をお持ちの方限定となります」

「過去に、実力不足にも関わらず推薦状を使用し、Fランクから登録した例がありました」

「その結果、ダンジョン内で多数の犠牲者が出ました」


 なるほど。理由は重い。


「お二人が八咫学園出身であることは把握しております」

「ですが規則ですので、ご理解ください」


「承知しました」

「実技テストの監督は、そちらの方ですか?」


 視線を向けると、男性が静かに頷いた。


「はい。Bランク冒険者のハルと申します」

「私が試験官を務めます」


 ――やっぱりだ。


 ただ座っているだけなのに、先生と同じ気配がする。

 いや、場合によってはそれ以上かもしれない。


「動きやすい服装と、模擬戦用の武器を用意しております」

「地下1階の訓練場へ移動します」


 俺たちは案内され、地下へ向かう。


 更衣室で着替えながら、俺はぼやいた。


「なーんで先生、このこと教えてくれなかったんだろ」


「守秘義務じゃない?」

「推薦状を出す条件に含まれてるとかさ」


「それなら仕方ねぇか」

「それよりさ、あのハルさん」


「強い、でしょ?」


「あぁ、直感スキルが先生くらい強いってさ」


「じゃあBランク以上は確定だね」

「気合入れないと」


「だな。ただ推薦状は個人単位だ」

「テストも個人だと思っといた方がいい」


「学園の個人試験と同じだね」

「DEAと提携してるし」


「それもそうか」


 着替えを終え、俺は片手剣とナイフを手に取る。


 さて。

 鬼が出るか、蛇が出るか。


 できれば、鬼は勘弁してほしいんだがな。


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