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クラン 魔を狩りし者へようこそ ~深淵を目指す英雄見習いコンビ~  作者: 鎖月 弥生
第1章 駆け出す英雄見習い

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第23層目

 俺らが学園時代に血反吐を吐いてダンジョンに潜り続けたお陰で、英雄選定を生き残ることができたことは理解できた。


「とりあえず俺たちがFランクで英雄選定を生き残った稀有な例というのは理解できたっす」

「ただ、そもそも英雄選定ってなんなんっすか?」


「そうだな、正直俺はあまり詳しくはない」

「というより、誰も正確なことは分からないが正解か」


「協会長の(あかつき)さんのソウルでも分からないんですか?」


「あぁ、むしろその会長のソウルで英雄選定についてある程度分かったようなもんだからな」


「そうなんすね。なら分かってる範囲で大丈夫っすから教えてください先生」

「多分、今回の一回で終わりじゃないんすよね、この選定は」


「そうか、直感スキルか」


 先生が難しい顔をしながら天井を睨んで考え込む。

 …よし、今のうちにスコーン食べよう。


 この抹茶のスコーン凄く美味い。

 相棒、美味いぞこれ、紅茶とめっちゃ合う。


 相棒にアイコンタクトを送れば、向こうはチョコのスコーンを頬張って幸せそうにしてる。

 いいな半分頂戴、俺の抹茶も半分あげるからさ。


 よしよし、交渉成立だな。


「そうだな、もう関わってしまったんだもんな」

「教えても問題ない…か」


 俺たちがスコーンの交換会をしてると、先生の中で考えが纏まったらしい。

 ただ俺たちの方を見て難しい顔が呆れた顔になったのは解せぬ。


「はぁ、お前らは…」

「まぁそうだな、それくらいリラックスして聞いてくれた方がいいか」


「先生、教えてくれるんすか」


「あぁ、どの道Dランクに上がる時に伝えられる情報だからな」

「遅かれ早かれ知るんだ、問題ないなかろう」


 どうやら教えてもらえるようだ。はてさて英雄選定とは一体なんだろうな。

 …その前にパッサパサの口を潤しとこ。


「英雄選定は、過去の神話で語られる英雄の再臨を目的とした試練だ」

「この試練の対象はダンジョンに挑む全人類で、選定が発生するタイミングはランダム」

「この20年弱で一度も遭遇していない冒険者もいれば、数えるのも億劫になるほど遭遇した冒険者もいる」


「そして…一度も英雄選定に遭遇しなかったものはBランクダンジョンに入ることができない」


「先生、それはつまり」


「あぁ、文字通りの選定だ」

「実際Bランクダンジョン以降はそれ以前に比べて魔境だからな」

「Cランクダンジョン程度で発生する英雄選定を生還できないようなら実力は足りないだろう」


 脅し、ではなさそうだな。

 Bランク冒険者がそこまで言うか…。


「英雄選定の本質はハイリスクハイリターンだ」

「選定発生前に対象の冒険者を強化する。そしてその力を使わせて選定をクリアさせる」

「クリアできれば対象の冒険者は更に高みに、失敗すればそれまでの冒険者だったと切り捨てる」


「ちなみにっすけど、選定から逃げることは」


「もちろん無理だ」

「選定は基本的に隠しエリアで開始されるからな。選定終了まで隠しエリアの周りに透明な結界が張られて脱出も侵入も不可能となる」

「概念破壊系のソウルでも結界が壊れなかったから、そもそも空間が断絶されているのだろうと言われてる」

「そこら辺は流石に俺も知らん」


「ならなるべく隠しエリアには近づかない方がいいってことっすか」


「いや、そこら辺は協会としては各冒険者の意向で決めることとしている」

「協会側としてはBランク以上の探索者を欲しているからな。冒険者たちに挑んで死んで来いとも、避けて力を得る機会を失えとも言えないのだろう」


「リスクを取るかリターンを取るかですか」

「先生、選定は一度でも回避したらBランクダンジョンに入ることが出来なくなるのでしょうか」


「いや、それはない」

「かつての俺も自分らのパーティーがそこまで得意ではないダンジョンで隠しエリアに行くことを避けたことがあるが、問題なくBランクダンジョンに入ることができた」

「選定を一度でも超えれているか否かしか判断していないのだろうな」


「そうなんですね、ありがとうございます」


「あぁ、それと俺が知っている情報はこれくらいだ」


「あれ、でも先生」

「なんでこの選定についてEランク以下は説明されないんすか?」


「簡単な話だ。低ランクのうちに少数でモンパニに対応できる存在が極稀だから、いたずらに犠牲者を出さないようにするためだ」

「あとは無駄に隠しエリアを探し回ってダンジョンで迷子になった奴らも多数存在したからな」

「だから一応情報統制を行っていて、Eランク以下の冒険者とそれに対応する職員は存在を知らされていない」


「あぁ、確かにDランク以降は受付とかの階が変わるっすもんね」


 そこまで話すと先生は紅茶に口をつける。


「今から言うことはきっと教育者として失格だろう」

「だがそれでも言わせてくれ」


「カルマ、サズキ」


「お前らは英雄選定に遭遇したら積極的に挑め」

「俺が教職に復帰してからはお前らが一番英雄の再臨に近い、そう思ってる」


「先生、俺たちが目指すのはダンジョンの深淵っすから、挑んでいいなら積極的に挑むっすよ」


「カルマ…」


「僕たちが強くなるのなら何度だって挑んで生還してきます。きっと力はどれだけあっても足りないでしょうから」


「サズキ…」

「ふっ、やっぱりお前らは問題児コンビだな」


「えー!なんでそうなるんすか先生!」


「流石に断固抗議します、先生」


「くくっ、すまんすまん」


 笑いながら謝る先生の目尻が光った気がしたが、スルーする。

 先生のパーティーメンバーの話を聞いたことがない。まぁそういうことなのだろうから…。


「さて、今日はカルマの奢りだったな、サズキ」


「そうですよ、先生!」

「全額カルマの奢りです!」


「相棒!?」


「じゃあ、お前らが食い尽くしたスコーンを追加で頼むとするか」


「いいですね、僕ももう少し欲しかったんですよね」


 あいぼう!?

 おま、おまえぇぇぇぇ!!!




問題児コンビに触発されて、作者も動きました。

Twitter(X)始めました。

進捗とか裏話とか、たぶんゆるく呟きます。

よければ覗いてやってください。

https://x.com/sathuki841

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