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クラン 魔を狩りし者へようこそ ~深淵を目指す英雄見習いコンビ~  作者: 鎖月 弥生
第1章 駆け出す英雄見習い

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第21層目

 空を駆ける相棒におんぶされながら隠しエリアから通常のエリアへと戻り、帰還箱から併設されているDEAへ帰還する。

 換金所に今回手に入れた素材を渡し、換金を待つ間に冒険者支援の窓口へ向かう。


 早めに帰還したからか他に人はおらず、すぐに俺たちの番となった。


「本日はどのようなご要件でしょうか?」


「先程、ダンジョン【火花】にてイレギュラーな事態に遭遇しましたので報告に来ました」

「一旦自分たちで対処しましたが、他にも同様の事例が発生している、もしくは勘違いの可能性がありますので確認をお願いします」


 表情を強ばらせる職員さんを横目に、時折相棒に補足してもらいながら、ダンジョンに入ってから帰還するまでの出来事を説明する。

 隠しエリアの辺りで盛大に頬が引き攣り、モンパニの話に入ると許容限界を超えたのか能面と化した。


 ただ不思議なことに、英雄選定の話題を出した時は怪訝そうな顔を少しした程度で、そこまで反応を示さなかった。


 …末端には伝わっていないのか?


「というわけで最終的にこのダンジョンのボス、焔狐(フレイムフォックス)を討伐。その後追加でモンスターが現れなかったため、事態は終息したと判断し帰還しました」


 俺が思考に耽っている間に、説明を引き継いだ相棒が報告を締め括る。


 職員さん、顔色死んでるけど大丈夫か?

 …手は動いてメモしてるっぽいから生きてはいるな。


「ひとまず承知しました」

「上司に確認してまいりますので、この後お時間の方は大丈夫でしょうか」


 あ、再起動した。

 頑張れ、おっちゃん。


「はい、大丈夫です」

「併設されているホテルに泊まっていますので、何かありましたらフロントに言付けをお願いします」

「流石に疲労困憊ですので、できれば部屋で休ませていただきたく…」


 ほんとにそうだ。

 未だに反動の頭痛が取れないから早くベッドでゴロゴロしたい。


 何度も使ってきたから分かるが、俺の極限集中(オーバーロード)は使用時間分この頭痛が続く。


 今回なら約二時間の戦闘だったため、あと三十分ほどこの脳みそ打楽器状態から解放されない。

 新手の拷問である。


「話を聞く限り激戦だったようですから、ホテルでお休みいただいて大丈夫です」

「現場確認等もございますので、明後日の午前中に再度お越しいただく形にしましょう」

「ただその間で喫緊の問題が発生した場合は対応をお願いします」


「承知しました」

「では、よろしくお願いします」


 ふぃー。

 ということで一旦DEAへの報告は終了だ。


 ちゃちゃっとホテルに戻ってぐっすり寝たいぜ。


 ―――――


 ということでこんにちは、翌日でございます。

 あの後ホテルに戻った俺たちは風呂を済ませてベッドに潜り、夕飯をすっぽ抜かして朝まで懇々と眠っていた。


 どうやら思ったより疲れていたらしい。


 DEAに相談する前にアフヌンの予約を済ませておいて正解だった。


 ホテルに戻ってからにしていたら確実に忘れていたな。

 相棒にボコされるところだった。


 珍しい個室タイプのアフヌンらしいので、今回の件を先生に相談するにはちょうど良さそうだ。

 相棒が連絡したところ、偶々午後は用事がないらしく呼び出しに応じてくれるらしい。


 昨日の英雄選定の報酬で出た素材の売却額が思ったより高く、財布が潤っている。

 先生の分も出そうとは思っているが、それも今俺たちがいる愛知支部のショップで何を買うか次第だな。


「そろそろ鑑定結果出るよ、カルマ」


「おー、意外と早かったな」

「相棒の鎖が元々ここで購入を予定していたテイマー系統の人たちが使っているものに近いといいな」


「そうだね。違ったら売却して、そのお金で拘束用の鎖を買おうかな」

「待ってる間に購入対象の目星も付けたしね」


 流石相棒である。

 俺なんてこの刀カッケーと一生刀身眺めてただけだぞ。

 斬る度に風切り音がするらしい、ついでに血に濡れるほど切れ味が上がるとか…妖刀か?


「おっ、俺らの番だな」

「はてさて、掘り出し物であることを祈るぜ、小火姫狐(ファイアフェネクス)さんよぉ…!」


 ということで。


「けっかはっぴょぉーーー!」


「わざわざ人気がないところを探したと思ったらそれを言うためなのね…」


「様式美は大事だろ?」


「はいはい」


「相棒が冷たくて涙ちょちょ切れそう」


「僕の方の鎖は見た目通り拘束用に使える鎖みたいで、炎との親和性が高いみたい」

「具体的には白い炎の温度に耐える耐熱性能があるんだって」


 スルーですか相棒、ほんとに泣くぞ?


 まぁ冗談はさておき、どうやら希望通りの鎖だったみたいだな。

 …にしても白い炎に耐える耐熱性ねぇ。


「カルマはどうだったの?」


「こっちは外套を羽織っている間、自身が移動した痕跡を消せるらしい」

「要は隠密スキルの強化パーツってわけだ。ちゃんと掘り出し物だったな」


「僕もカルマも欲しいものに近いものが出たみたいだね」


「あぁ、気味が悪い程にな」


「そうだね」


 果たしてこれは()()なのだろうか。


 英雄選定ね。

 スキルの記憶だけで過去に何があったのかは分からないが、英雄の力を模倣させてもらっている以上、いつかは超えるさ。


 神話の事象を超えればいいんだろ。


 なぁに、相棒となら余裕だ。


 ということで相棒。

 お金浮いたしこの刀買ってもいいかな、ダメ?






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