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クラン 魔を狩りし者へようこそ ~深淵を目指す英雄見習いコンビ~  作者: 鎖月 弥生
第1章 駆け出す英雄見習い

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第14層目

 あー、味噌ラーメンに入ってるコーンって、なんでこんなに美味しいのだろうか。

 なんで味噌を食べているかって? じゃんけんで負けたからだよ。


 あの後、ダンジョンから無事に帰還した俺たちは、その足でDEAの換金所へ向かった。

 ダンジョンで獲得した物資と依頼品を納品し、換金も無事終了。

 いやぁ、お役所なのに24時間営業って本当に助かる。

 とはいえ、職員さんの顔は死んでいた。無理はしないでほしい気持ちもある。


 まぁそれはさておき。

 まとまったお金が手に入ったので、いざラーメン屋へ――となったのだが、生憎俺と相棒の気分が一致しなかった。

 結果、いつも通りじゃんけんで決定である。


 んー、鶏白湯も食べたかったが、味噌も美味いから良しとしよう。


「空の器を目の前に、何を満足げに頷いてるのさ」


「ん? 味噌ラーメンも美味しいなって改めて思っただけさ」

「まぁ、ダンジョン帰りのラーメンは何でも美味いけど」


「さよかい」

「にしてもどうだった? 学園以外のダンジョンは」


「先生から推薦状を貰えて良かったって、心底思ったよ」

「Gランクってマジで手応えないし、換金額もしょっぱいしな」

「Gランクから始まるクラスメイト達は、強く生きてほしい。本当に」


 いや、ほんとに。


 俺たちはダンジョン探索で得た金を2:2:6で分配している。

 俺と相棒が2割ずつ、残り6割と端数はパーティー資金だ。

 今回、依頼報酬を含めて俺の取り分は5万弱といったところ。


 学園のダンジョンはFランクで、そこから授業費などが差し引かれていたため単純比較はできない。

 だが、同じ時間潜っていたなら、個人で10万弱は稼げていたはずだ。


 本来ダンジョンは6~8人、少なくても4人以上でパーティーを組んで攻略する冒険者がほとんどだ。

 そうなると、個人の取り分はな……お察しである。


 そう考えると、Gランクは本当に初心者向けなのだろう。


「これでも一応、稼げそうな所を選んだつもりなんだけどね」

「僕も想像以上に稼げなくて、ちょっと困ってる」

「とりあえずホテルに行って、そこでどうするか決めようか」


「それもそうだな」

「んじゃ、ごちそうさまでしたー!」


「ごちそうさまでした」


 さて。

 各DEA支部に併設されているホテルにチェックインし、風呂も済ませたことだし、会議のお時間である。


 本日のお供は赤コーラと侍めし。

 日付が変わるくらいの時間に、ダラダラ雑談しながら菓子をつまむのは実に良い。

 ちなみに相棒は午前ティー(赤)とコンビニプリンだ。優雅である。


「どうする? 相棒」

「元々の予定だと、明日は相棒の鞭を見に行く予定だったわけだが」


「うーん、それなんだけど。Fランクダンジョンに行こうかなって思ってる」


「その心は?」


「DEAから支給されている鞭が、Fランクでも通用しそうなのと」

「どうせなら、もう少し稼いでから良いものを買おうかなって」


「いいんじゃないか?」

「学園時代の貯金もあるだろうし、Dランク相当の鞭を目指すか?」

「それならFランク期間は更新する必要もないだろう。それに、相棒の近接格闘のレベルだとFランクじゃ使う必要ないってなりそうだしな」


 ぶっちゃけ、相棒の近接格闘レベルは突出していると言っていい。

 手数も一撃の火力も、Fランクとしては破格だということは学園のダンジョンで証明済みだ。


 そんな相棒のサブ武器となると、下手なものを持つくらいなら近づいた方が早い、という結論になりがちである。

 実際、大草緑鼠(ビッググラスラット)の時も鞭を使わずに倒しているしな。


「そうなんだよね。僕もそれを懸念してる」

「それこそ、僕の膂力で振るうなら下手な鞭よりも拘束用の鎖とかの方がいいんじゃないかなってすら思ってる」


「あぁ、テイマー系統の人達が使ってるやつか」

「確かに。ただの紐でも、あれだけの膂力で振るわれたら十分凶器だしな」


「カルマもそう思う?」

「ただ、そうなると予定していた金額じゃ全然足りなくて」


「あぁ、それでFランクダンジョンに繋がるわけか」


「そういうことだけど、どう?」


 今回のGランクダンジョンの収入と、学園時代のFランクダンジョンの難易度や収入を天秤にかける。

 うん、特段問題はないだろう。

 どのみちEランクに昇格するには、いくつかのFランクダンジョンを踏破する必要がある。

 遅かれ早かれ行くことになるのなら、ちょうどいい。


 それに、うちの相棒が下手なダンジョンを選ぶとも思えん。

 少なくとも俺か相棒のどちらかは相性がいいだろう。


「いいと思うぜ」

「どうせ用意周到な相棒のことだ。もう行き先も見繕ってるんだろ?」


「もちろん。後でDascoのいつものチャンネルに貼っておくね」


「おけぃ。じゃあ起きたら確認するわ」

「んじゃ寝ようぜー」


「うん、おやすみ」


「おやすみー」


 明日はFランクダンジョンか。

 相棒が選定した場所なら、気を抜かなければ問題ないだろう。


 それよりも問題は...

 寝起きの悪い相棒をどう起こすか、だよな。


 殴り飛ばされませんよーに。

 直感先生、ヤバそうだったら教えてください…!


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