第12層目
魂の嘆きに対して先生の「知らんがな」という声が聞こえたような気もしましたが、きっと気のせいでしょう
ということでおランチのお時間ですわ
本日のおランチは学園ダンジョン以外では初となるダンジョン攻略ということで、験担ぎにカツサンドですわ
私のはトンカツオンリー
サズキ様のは千切りキャベツと辛子マヨが絶妙な調和を見せる一品となっていますわ
……えっ、喋り方が普段と違う?
いやいや私は普段からこのような口調でしたことよ、オホホホホ
「サズキ様、お味の方はいかがですか?」
「えっ、いつも通り美味しいけどどうしたのさ」
「いえいえ、お気になさらず」
「えぇ、スキルオーブのドロップが羨ましいなど微塵も思っておりませんとも」
「カルマぁ…」
カツサンドを頬張りながらサズキが呆れたような視線を向けてくる
……うん疲れたしやめよう
「にしてもよくドロップしたな」
「ボス以外のスキルオーブのドロップ率って0.01%だろ?」
「運が良かっただけだよ」
「あとお昼が楽しみだったから、ある意味無欲だったのかもね」
1万体狩ってようやく1個出るかどうか
しかもモンスターが複数のスキルを持っていれば、そこからさらに抽選が発生する
その点草緑鼠は窮鼠のスキルしか持っていない
スキルオーブがドロップすれば確実に手に入る
ギャンブル性が低いのは正直ありがたい
「はぁ、そういうもんか」
「いいなぁ俺もなんかスキル欲しいなぁ」
「冒険者人生は長いんだから、そのうちドロップするよ」
「それにどうせマラソンもすることになるし」
「それもそうか」
「スキドロマラソン過酷らしいからできれば避けたいけどな」
「ふふっ、そうだね」
そんな他愛もない話をしつつ昼休憩を終える
「さてじゃあカピバラ狩りを再開しようか」
「うんでもその前にスキルオーブ使っとくね」
「ほいよ」
ランダムスキルオーブとは違い、水色の野球ボールサイズの玉をサズキが握り潰す
「ステータス」
「よし情報通り窮鼠のスキルを入手できたよ」
「そっか、それは良かった」
「ただ相棒がそのスキル発動する時って、俺たち相当崖っぷちだろ」
「そうだね」
「でもその状況でひっくり返せる可能性ができただけでも大きいよ」
「だな」
「その時は任せるぜ相棒」
「もちろん」
窮鼠はその名の通り、自身の生命が脅かされた際に発動する強化系統のパッシブスキルだ
発動中はステータスが1.5倍に跳ね上がる
鑑定系スキル持ちの話では人類には、
|STR(筋力)、|VIT(抵抗力)、|AGI(反射神経)、|DEX(器用さ)、|INT(思考力)、|RES(魔法抵抗力)、|LUK(運)
以上7項目の隠しステータスが存在するらしい
それらすべてが1.5倍になるのだから正直俺も喉から手が出るほど欲しい
だがドロップ率は渋く有用性も高いため、基本的に冒険者が自分用に使ってしまう
市場に出ても高値取引だ
俺が手に入れられるのはいつになることやら
「流石に効果確認のためだけに瀕死になる気はないからな」
「検証は先人たちのデータを信じて、カピバラ狩り続行でいいか」
「有名なスキルだしそれで十分だと思うよ」
「じゃあ休憩挟みつつ18時くらいまで狩ろうか」
「おっけー」
現在時刻は14時
果たして何体狩れることやら
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「けっかはっぴょぉーーー!!!」
「わぁ!? なになに急に大声出して」
「いや様式美かなって」
「そ、そう」
さてふざけるのはこの辺にして真面目に集計しよう
4時間かけて某夢の国リゾート級の広さを誇る草原をサーチ&デストロイで駆け回った結果
Gランク魔石が約5,000円分
Fランク魔石が約80,000円分
依頼品の毛皮が20枚
その他素材がそれなり
「トータルで20万前後ってところか」
「相棒殿としてはこの結果いかがでございますかな?」
「そうだね」
「窮鼠のスキルオーブ抜きにしても上々だと思うよ」
「となるとあとはダンジョンから出るだけか」
「どうするボス狩ってく?」
「うん」
「単騎性能は草緑水豚より低いし取り巻きも草緑鼠が3体だけだしね、倒してから帰ろうか」
「りょーかい」
「じゃあ5層に降りますか」
さてさて、ここのダンジョンボスは草緑鼠よりも大きいらしい
ポメラニアンサイズですらあれだったのに、それ以上か…
できるだけ近づかずに倒したいところだ
夕飯はできれば美味しく食べたいしな




