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捨てる神あれば、拾う神あり

湖は楽しかった。

浅瀬で、チャパチャパと遊んだ。

仲間ネズミたちも満足したようだ。

チビネズミ2匹は、昼寝をしてしまっている。

俺は、一応周囲を警戒しながら、魔法の訓練をした。


レベル上げは難航したが、夏を楽しんだ。


そんな中、夏の1番暑い日には、聖女と言われる人の1人が、街にやってきた。

結界の具合を見るという話だった。

そこで、俺達は、困ったことになる。

貧民街の方まで、清掃作業が始まったのだ。

俺達は、ねぐらから出られなくなるのも嫌なので、森に退避した。


その頃になると、お嬢様育ちの仲間ネズミたちは、すっかり、野生も取り戻して、物色アリくらいなら駆除と言わんばかりに攻撃するようになっていた。


聖女…見てみたかったな。

とか、思ってると1番大きい仲間ネズミに尻尾を噛まれた。

見ると、兵士アリが出てきている。

俺は、戦士の咆哮を打ってあげた。


夏の雨の時期は、大きな木のうろで、みんなで外を眺めながら過ごした。

みんなソワソワしていた。

もしかして、子作り?みたいな期待に満ちた感じで居心地悪かった。

一夜明けるとみんな普通にもどるんだけどな。


俺は、仲間ネズミに欲情することはないが、仲間ネズミが、他のネズミと交尾するのはなんか嫌だと思った。

そもそも、なんでこんなこと考えてるんだっけか…?


聖女の馬車が帰っていったのを見て、街に帰ろうとしたが、街に入れなくなっていた。

ビリビリダメージを喰らうようになってしまっていた。

俺達は、完全に締め出されてしまったようだ。


お別れとか言ってないが、いいだろう。

旅に出る時なのかもしれない。

とは言え他の街もこんな調子で結界が張られていたりしたら、本当に困る。


ぬくぬく街の空き家で育った仲間ネズミたちが、冬越しできるとは思えないし…。


秋になる。

紅葉の森を散策する仲間ネズミは楽しそうだ。

1番大きい仲間ネズミは時々不安そうに街を見ている気もする。

やはり、冬越しに危機感を抱いているようだ。

ともかく、木の実やキノコを集めよう。

仲間ネズミたちは、上限レベルまでいっていたが、まだ、進化はしないようにした。

少しでも生命力が多い状態で、冬を迎えなければ危険だ。


街の方では、秋の収穫祭が行われていた。

遠くの喧騒が、しんみり心に染みた。

こんなことなら、異空間収納に毛布の1枚でも持ってくればよかった。

…今さらの後悔だ。


だんだんと季節が冬に近づく。

俺達は、大きなうろのある木に落ち葉をたくさん引いてそこで冬越しすることになった。

雪が降るまでは、何とかなったが、雪の日は、みんなでくっついて暖をとった。

チビ2匹は、本当に死にそうになっていた。

生命力が減ってくることもあったので、回復魔法をかけてあげたりして、冬と戦った。

今年も氷の小精霊が出た。

今回は、見ている余裕もあまりなかったが…。


雪がやまず、きついなあと思っていた日。

俺の下に魔法陣が現れる。

なんらかの契約魔法陣のようなそれが、俺を包もうとした。

仲間ネズミたちは、どうしていいかわからずおろおろしていた。

俺は叡智を使って、状況の確認と対処の模索をする。

どうやら魔法陣は、従魔契約の召喚魔法陣のようだった。


内容は、ほとんど隷属に近い内容だったので、いくつか契約内容を書き換える。

一応仮でパスはつなげたので、向こうの反応もわかる。

向こうは、少し驚いたふうだったが、さらに交渉してきた。

そこからは、話し合いだ。

パス同士で、一瞬でやり取りするので、ほとんど時間はかからない。

結局、俺は、従魔契約の条件も納得するものになったので、わたりに船で、召喚に応じることにした。

俺だけが、向こうに召喚される。

魔法使いというよりは、学生のような格好の少女が、俺を見ていた。


俺は、とりあえず、残された仲間ネズミを召喚することにする。

従魔契約と召喚は、今、お手本を見せてもらったので簡単だ。

無属性系統の魔法による召喚と契約。

こちとら、無属性はレベル18、余裕だ。


俺は、ぽぽぽぽぽんと5つ同時で、召喚契約魔法を使って、みんな召喚した。


ちらっと、後ろを見ると、俺の召喚主は、飴玉の味がよくわからない味だった時のような顔をしていた。

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